2003 Fiscal Year Annual Research Report
子牛における第四胃内投与メチオニン、リジンの代謝と利用
Project/Area Number |
14560239
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
阿部 又信 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00120949)
|
Keywords | 子牛 / 食道溝経由第四胃内投与 / アミノ酸の相互作用 / リジン / メチオニン / アルギニン / 粗蛋白質水準 / TDN水準 |
Research Abstract |
実験3:CPおよびTDN摂取量がMet代謝に及ぼす影響について検討した。ホルスタイン種雄子牛16頭(平均体重133kg)を4頭ずつ4区に分け、TDN摂取量は19.0および14.0g/kg BW/dの2水準、CP摂取量では3.4および2.5g/kg BW/dの2水準となるよう基礎飼料を給与した。供試子牛は離乳後も食道溝反射を維持させ、DL-Met15g/dを朝夕半量ずつ第四胃内に投与し、2週目にN出納と血漿遊離アミノ酸濃度を測定した。その結果、CPとTDNの摂取量が多いほうがN蓄積を増加させ、逆に血漿Met濃度は減少した。 実験4:CPおよびTDN摂取量がLys代謝に及ぼす影響について検討した。ホルスタイン種雄子牛16頭(平均体重122kg)を4頭ずつ4区に分け、基礎飼料からのCPおよびTDN摂取水準は実験3と同様に設定した。本実験ではL-LysHCl60g/dを朝夕半量ずつ第四胃内に投与し、2週目にN出納と血漿遊離アミノ酸濃度を測定した。その結果、CPとTDNの摂取量の増加は共にN蓄積を増加させたが、血漿Lys濃度には有意な影響が認められなかった。 実験5:子牛に80g/d以上のL-LysHClを食道溝経由投与すると下痢が生じ、Lys-Arg拮抗の確認には至らなかった。そこで、Arg過剰によって下痢やArg-Lys拮抗が生じるか否か検討した。離乳後も食道溝反射を維持させたホルスタイン種雄子牛25頭(平均体重100kg)を5頭ずつ5区に分け、各区に同一・等量の基礎飼料を給与する一方、L-ArgHCl 0,30,60,90,120g/dを朝夕半量ずつ第四胃内に投与した。その結果、Arg過剰はインバランスまたは毒性を生じ得るが、下痢の可能性は低く、Arg-Lys拮抗も生じなかった。この結果は、子牛ではLys-Arg拮抗が生じないことを示唆した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Abe, M, ほか: "Factors concerning with methionine and lysine in calves"J. Anim. Sci.. (発表予定).
-
[Publications] Abe, M, ほか: "Adverse effects of excess arginine in calves"J. Anim. Sci.. (発表予定).