2002 Fiscal Year Annual Research Report
好中球ミエロペルオキシダーゼ欠損マウスの生体防御機能異常
Project/Area Number |
14560251
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
荒谷 康昭 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (30192470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 秀機 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40085626)
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Keywords | 好中球 / ミエロペルオキシダーゼ / 活性酸素 / 感染症 / 免疫 |
Research Abstract |
好中球が病原微生物の感染などで活性化されると、NADPHオキシダーゼによって酸素からスーパーオキシドが産生され、つづいて、スーパーオキシドディスムターゼによってスーパーオキシドから過酸化水素が産生され、さらにミエロペルオキシダーゼ(MPO)によって、過酸化水素から次亜塩素酸が産生される。このような一連の反応で産生された種々の活性酸素は生体内に侵入した病原微生物の殺菌を営んでいるが、どの活性酸素種がどんな病原微生物の殺菌に必要なのかは必ずしも明らかではない。そこで、MPOノックアウトマウス[MPO(-/-)マウス]とNADPHオキシダーゼノックアウトマウス(CGDマウス)を交配させて、MPOとNADPHオキシダーゼの二重欠損マウス[MPO(-/-)/CGDマウス]を作製し、次亜塩素酸塩素酸もスーパーオキシドも産生できない好中球を持ったマウスのカンジダ菌に対する感染防御能を解析した。その結果、MPO(-/-)/CGDマウスの感染防御能はCGDマウスの防御能と同等であることが判明した。すなわち、NADPHオキシダーゼが欠損していると、MPOの基質となる過酸化水素は全く供給されないためにMPOが機能できないことが分かった。 一方、好中球からの活性酸素やプロテアーゼの放出が長時間持続すると正常組織にも傷害を及ぼす。この組織傷害を回避するため、活性化した好中球は速やかに死に至る。好中球の細胞死には活性酸素が関与している可能性があるが、その詳細は明らかでない。そこで、MPO(-/-)マウス、CGDマウス、およびMPO(-/-)/CGDマウスの好中球を用いて、好中球の細胞死におけるスーパーオキシドと次亜塩素酸の関与を検討した。その結果、野生型好中球よりもMPO(-/-)好中球やCGD好中球の方が、さらにMPO(-/-)好中球やCGD好中球よりもMPO(-/-)/CGD二重欠損好中球の方が、アポトーシスが遅延することが分かった。すなわち、好中球のアポトーシスは、好中球自身が産生する活性酸素によって制御されていることが明らかになった。
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[Publications] Ichimori, K.: "Myeloperoxidase has directly-opposed effects on nitration reaction.-Study on myeloperoxidase-deficient patient and myeloperoxidase-knockout mice-"Free Rad. Res.. (in press).
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[Publications] Aratani, Y.: "Relative contributions of myeloperoxidase and NADPH-oxidase to the early host defense against pulmonary infections with Candida albicans and Aspergillus fumigatus"Med. Mycol.. 40. 1557-1563 (2002)
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[Publications] Xiao, H.: "Antineutrophil cytoplasmic autoantibodies specific for myeloperoxidase (MPO-ANCA) cause glomerulonephritis and vasculitis in mice"J. Clin. Invest.. 110. 955-963 (2002)