2003 Fiscal Year Annual Research Report
ライソゾーム蓄積病の動物モデルの確立とスクリーニング法の開発
Project/Area Number |
14560258
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大和 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (80261337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前出 吉光 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (40002084)
田島 誉士 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90202168)
落合 謙爾 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (80214162)
山崎 真大 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40322846)
|
Keywords | ライソゾーム蓄積病 / 動物モデル / ガングリオシドーシス / 遺伝病 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
1.Sandhoff病の犬および猫モデルの同定 低侵襲的に採取可能な脳脊髄液(CSF)中のGM2およびGM1ガングリオシド濃度の微量測定を可能とする薄層クロマトグラフィー(TLC)/酵素免疫染色法を開発した。この方法をSandhoff病の生前診断法として利用できるようになったため、新たなライソゾーム病である犬(ゴールデン・レトリーバー)および日本猫のSandhoff病を同定するに至った。なお、日本猫の疾患については、Sandhoff病の猫モデルとして、系統維持を開始した。 2.Sandhoff病の犬および猫モデルの分子遺伝学的解析 Sandhoff病の原因遺伝子と推定されるHEXB遺伝子の配列を上記の犬および猫で解析したが、現行では責任変異は同定されなかった。一方、これまでに海外で同定されていた猫のSandhoff病を起こす2種類の変異を検出するPCR-RFLP法を開発した。これらの方法を用いて、我々が同定した猫を調べたところ、これらの変異を有していないことが判明した。 3.柴犬のGM1ガングリオシドーシスの簡易スクリーニング法の開発 柴犬のGM1ガングリオシドーシスの予防制圧を実現するために利用できる簡易迅速遺伝子診断法を開発した。この方法は、微量の血液試料(全血、濾紙血、乾燥血液粉末など)を直接鋳型としてPCR-RFLP法を実施できるため、酵素診断法よりも簡易迅速であり、疾患根絶を目的とした分子疫学調査を可能とするものであった。 4.ライソゾーム病をスクリーニングするための臨床病理学的バラメーター CSF中のアスパラギン酸アミノ転移酵素および乳酸脱水素酵素の活性が、動物のライソゾーム病において高値を示したため、これらがスクリーニングのためのパラメーターとして利用可能であることが明らかとなった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Osamu Yamato: "Sandhoff disease in a golden retriever dog"J.Inherit.Metab.Dis.. 25(4). 319-320 (2002)
-
[Publications] Osamu Yamato: "A novel mutation in the gene of canine acid β-galactosidase that causes GM1-gangliosidosis in Shiba dogs"J.Inherit.Metab. Dis.. 25(6). 525-526 (2002)
-
[Publications] Osamu Yamato: "Clinical and clinico-pathologic characteristics of Shiba dogs with a deficiency of lysosomal acid β-galactosidase : a canine model of human GM1 gangliosidosis"J.Vet.Med.Sci.. 65(2). 213-217 (2003)
-
[Publications] Osamu Yamato: "Laboratory diagnosis of canine GM2-gangliosidosis using blood and cerebrospinal fluid"J.Vet.Diagn.Invest.. 16(1). 38-43 (2004)
-
[Publications] Hiroyuki Satoh: "Increased concentration of GM1-gangliosidosis in cerebrospinal fluid in dogs with GM1- and GM2-gangliosidoses and its clinical application for diagnosis"J.Vet.Diagn.Invest.. 16(3). 216-219 (2004)
-
[Publications] Osamu Yamato: "Comparison of PCR-RFLP assay and enzyme assay for diagnosis of GM1-gangliosidosis in Shiba dogs"J.Vet.Diagn.Invest.. 16(in press). (2004)