2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的ストレスと老化:呼吸器系におけるメタロチオネインの生体防御蛋白としての意義
Project/Area Number |
14560265
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
島田 章則 鳥取大学, 農学部, 教授 (20216055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雅彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (20256390)
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Keywords | イヌ / 肺 / メタロチオネイン / 浮遊粒子状物質 / 鉄 |
Research Abstract |
大気汚染物質の一つである浮遊粒子状物質(Suspended pariculate matter. 以下SPM)は肺への吸入・沈着により健康に悪影響を及ぼす事が示峻されている。金属はSPM中に質量比10%前後存在し、その構成元素は多種にわたる。これらの多くは微量でも生体に有害であることが多い。 本年度は、イヌの呼吸器系における加齢性諸変化、酸化的ストレスの存在、防御機構を明らかにする目的で、加齢性諸変化(肺胞壁・肺胞腔内の線維北、気腫、毛細血管床の減少)および金属兀素(鉄)の蓄積(細胞種、細胞内外の局在)、酸化的ストレスの各種マーカーの有無について病理学的および分析化学的検索を実施した。その結果、以下の所見が確認された。 1.病理学的所見 老犬の肺には、肺胞壁の限局的肥厚(線維化)、気腫(肺胞壁の拡張)、気管支腺の活性化、気管支軟骨の石灰化およびSPMの蓄積が見られた。これは、これまでにヒトで報告されている所見と一致する。また、肺胞の基庭膜におけるラミニン隅性所見の局所性の低下がしましま認められた。肺胞上皮細胞、気管支腺上皮細胞および気管支上皮細胞にメタロチオネイン陽性像が見られた。 DNAの酸化的損傷のマーカーであるデオキシグアノシン酸化代謝産物8-0HdG(8 ハイドロキシデオキシグアノシン)の免疫組織化学的陽性像:細気管支上皮細胞細胞核、肺胞上皮細胞細胞核および肺胞内マクロファージ細胞核に強い陽性所見が観察され、その所見は加齢に伴う増加傾向を示した。 2.分析北学的所見:肺および肺門リンパ節における金眉の定牲・定量的分析(誘導結合プラズマ発光分析法) 肺および肺リンパ節に加齢に伴い蓄積傾向の認められる金属種(Fe,Al,Mn,Zn,Cr,Mg)が存在した。また、大気中のSPMに多く含まれる金属種(Fe,Al)はイヌの肺においても多<蓄積する傾向が認められた。
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Research Products
(1 results)