2004 Fiscal Year Annual Research Report
我が国における新興感染症としてのエーリキア種の検出と分子系統学的調査
Project/Area Number |
14560272
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Research Institution | RAKUNO GAKUEN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村松 康和 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (50254701)
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Keywords | 北海道 / Ehrlichia種 / 野ネズミ / Amblyomma spp.マダニ |
Research Abstract |
ライム病流行地である北海道の森林で捕獲した野ネズミからPCR法を用いてEhrlichia種DNAを検出し、捕獲地域での野ネズミのEhrlichia種DNAの陽性率を示した。得られたEhrlichia種における16S rRNA塩基配列の比較から、検出したEhrlichia種はE.muris様のEhrlichia種であるE.sp.HF565(福島県由来)およびE.sp.Shizuoka-36(静岡県由来)と最も近縁である事を明らかにした。分子系統学的解析では得られたEhrlichia種は前述のE.spp.、E.muris、E.sp.Anan(徳島県由来)およびE.sp.HI-2000(山口県由来)とともにクラスターを形成した。また、分子系統学解析の結果、我が国にはE.murisとE.muris様Ehrlichia種の2系統が存在することが示唆された(Jpn.J.Infect.Dis.誌に投稿中)。 心水病(Heartwater)流行地であるアフリカ・スーダンの家畜に付着していたAmblyomma spp.マダニからPCR法を用いてHeartwaterの起因病原体であるE.ruminantium DNAを検出し、捕獲地域での媒介マダニのE.ruminantium DNAの陽性率を示した。p CS20領域の塩基配列および主要抗原蛋白遺伝子の塩基配列の比較から、得られたE.ruminantium DNAは新しいgenotypeであることを明らかにした。また、分子系統学的解析の結果からこのgenotypeは明らかにE.ruminantiumに属し、同じEhrlichia種に属するE.murisおよびE.muris様のEhrlichia種とは異なるものであることが分かった(Emerging Infectious Diseases誌に投稿準備中)。
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