2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560274
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Research Institution | Nippon Veterinary and Animal Science University |
Principal Investigator |
澤田 拓士 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 教授 (30226071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 康 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助教授 (60277663)
吉田 孝治 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 講師 (20060527)
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Keywords | 豚丹毒菌 / 健康牛 / 菌種 / 分子同定 / 血清型 / 病原性 / 牛特異的菌種 |
Research Abstract |
健康牛の扁桃から分離された豚丹毒菌の分子同定 近年、細菌の同定において伝統的な手法に代ってpolymerase chain reaction(PCR)法などの遺伝学的手法を応用する例が報告されるようになった。豚丹毒菌については、最近、Takeshiら(1999)が、先にDNA相同性試験で分類された4菌種に特異的なオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いるPCR法を開発した。そこで、本研究で分離され、昨年度までに報告してきた牛由来株79株について本法による同定を試み、血清型による菌種の同定との比較を行った。 その結果、PCR法により、79株中6株はErysipelothrix rhusiopathiaeと、1株はE.tonsillarumと同定され、残りの72株はErysipelothrix species strain 1と同定された。Erysipelothrix species strain 2は含まれていなかった。血清型による菌種同定との比較において、79株中19株(E.rhusiopathiae6株E.tonsillarum1株及びErysipelothrix species strain 1 12株)は両方法による同定が一致した。また、血清型別不能であった36株はすべてがErysipelothrix species strain 1と同定された。残りのE.rhusiopathiaeと同定されていた24株はPCR法ではErysipelothrix species strain 1と同定された。さらに、マウスに致死的で、豚に病原性を示した5株はすべてE.rhusiopathiaeと同定された。 以上より、4種のプライマーを用いるPCR法により、すべての牛由来株が3菌種に分類された。Erysipelothrix species strain 1は他の動物や環境材料からの分離頻度が極めて低いことから牛特異的であることが示唆された。また、PCR法によって同定される菌種と菌の病原性には関連性があることが示唆された。さらに、血清型参照株のDNA相同性に基づく血清型による豚丹毒菌の菌種同定は信頼性に乏しいことが明らかとなった。 以上の研究により、豚丹毒菌が健康牛に感染している実態並びに分離された本菌の諸性状が明らかにされた。
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Research Products
(1 results)