2003 Fiscal Year Annual Research Report
輸入爬虫類における外来感染症の疫学および病理学的研究
Project/Area Number |
14560275
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
宇根 ユミ 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (40160303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 靖夫 麻布大学, 獣医学部, 教授 (40063961)
|
Keywords | クリプトスポリジウム / トカゲ |
Research Abstract |
1)「ボア科ヘビの封入体病」第135回日本獣医学会(東大・東京) 封入体病(IBD)はボア科ヘビの封入体形成を特徴とするC type retrovirusに起因するとされる感染症で、我が国でその存在が確認されたことはなかった。申請者は本邦初のIBDを5匹のヘビに見出し報告した。その内訳はBoa constricter4匹、Ball python1匹で、全てのヘビに典型的な好酸性細胞質内封入体が観察された。しかし、ヘビの種類によって病変分布に大きな違いがあった。今回の研究で、USAを中心に流行し、問題となっていたIBDの日本侵入が明らかになった。全例がUSA繁殖個体であったが、国内でも水平感染が成立している可能性が高かった。全例がUSA繁殖個体であったが、長期国内飼育下個体が他の個体との同居をあるいはダニの発生などを機に発症した事例もあり、国内でも水平感染が成立している可能性が高かった。さらに、最近、ナミヘビ科ヘビにおける類似疾患の報告もあり、日本固有種への伝播の危険性もあり、種の保全からも今後警戒すべき重要な疾患と考えられた。 2)「ヒョウモントカゲモドキ由来のクリプトスポリジウムの感染性と病原性」第136回日本獣医学会(北里大・青森)申請者は2002年に初めてヒョウモントカゲモドキ(LG)にクリプトスポリジウム(Cr)の国内侵入を初めて確認した。今回はLG由来Crのトカゲ類への感染性と病原性を検証するために感染実験を行った。その結果、LG、オビトカゲモドキ;GK、ニホンヤモリ、ヒラオヤモリ2種、オキナワキノボリトカゲ、アオカナヘビで感染が成立した。国内で分離されたCrは、広い宿主域を有し、在来種では高感受性で、Crは飼育下爬虫類の損失、在来種への伝播の脅威すなわち種の保存上、警戒すべき重要な病原体と考えた。 3)「爬虫類のクリプトスポリジウム感染」野生動物医学会誌(8(1):27-34,2003)国内飼育下あるいは野生下爬虫類におけるクリプトスポリジウムの浸淫状況を調査した。トカゲでは0〜66.6%と飼育下爬虫類が種々の程度で保有しており、野生種では、唯一1匹のみで、飼育下爬虫類にすでに広がっていることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)