2003 Fiscal Year Annual Research Report
アゾ色素の哺乳動物発癌関連遺伝子に対する遺伝毒性に関する研究
Project/Area Number |
14560277
|
Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 有 八戸工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20259790)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 修治 岩手大学, 農学部・獣医学科, 教授 (60281953)
|
Keywords | アゾ色素 / 食用色素 / コメットアッセイ / 遺伝毒性 |
Research Abstract |
我々はComet assayによって多くの癌原物質のin vivo遺伝毒性をマウスの多臓器で検討してきた。その結果、大多数の癌原物質はマウスで癌原性標的臓器となることが極めて希な結腸のような臓器でも遺伝毒性を示すことが明らかになった。遺伝毒性試験は最大耐量に近い高用量の単一投与で行われることが多く、我々のComet assayのデータもそのようにして得られたものである。しかし、癌原性は低用量長期投与によって検出されることが多く、投与用量と投与期間は両試験で大きく乖離している。このことが遺伝毒性と癌原性で標的臓器が一致しない一因となる可能性がある。癌原性試験においても、混餌、混水授与のほうが強制投与よりも陽性率が低いことが報告されている(Johnson,2002)。ここでは、マウス肝癌原物質、マウス肝非癌原物質の遺伝毒性を、強制経口投与による場合と混餌投与による場合で比較した。 雄マウスに6日間混餌投与し、投与1日目から経時的に屠殺し、8臓器のDNA損傷をComet assayで検出した。単回の強制経口投与と1日の混餌投与を比較したところ、1日当たり投与量が混餌投与のはうが高い場合であっても混餌のほうが遺伝毒性が陽性となり難い傾向にあった。また、単回の強制傾向投与では癌原性の臓器持異性とは無関係に広範囲の臓器で陽性であったが、混餌投与では癌原性非標的臓器である消化管は陰性となる傾向にあった。1日の混餌投与で遺伝毒性と癌原性が一致しない場合も、投与期間の延長に伴って癌原性標的臓器である肝は陽性に、癌原性非標的臓器である結腸では減衰し4日目からは陰性になる傾向にあった。このことから、in vivo Comet assayにおける遺伝毒性試験の結果には投与形態が重大な影響を及ぼすこと、肝癌原性を予測する場合に混餌投与が有効であることが示唆された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y.F Sasaki, K.Sekihashi, H.Saitoh, S.Hori, M.Nakagawa, M.Miyagawa: "Effect of in vitro exposure time on comet assay results"Environmental.Mutagen Research. 25. 83-86 (2003)
-
[Publications] K.Ohsawa, S.Nakagawa, M.Kimura, C.Shimada, S.Tsuda, K.Kabasawa, S.Kawaguchi, Y.F.Sasaki: "Detection of in vivo genotoxicity of endogenously formed N-nitrosocompounds and its suppression by ascorbic acid, teas and fruit juices."Mutation Research. 539. 65-76 (2003)
-
[Publications] A.Saga, K.Sekihashi, S.Okutani, N.Yokohama, K.Mitsumori, Y.F.Sasaki: "In vivo and in vitro re-evaluation of genotoxic potential of Kojic acid"Environmental Molecular Mutagenesis. (in press). (2004)