2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木岡 紀幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (90234179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天知 輝夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (30301245)
植田 和光 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10151789)
松尾 道憲 京都大学, 農学研究科, 助手 (00335308)
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Keywords | 細胞接着 / ビネキシン / ビンキュリン / 足場依存性 / 裏打ち蛋白質 |
Research Abstract |
平成14年度はまず、細胞膜裏打ち蛋白質ビネキシンの遺伝子破壊(ノックアウト)マウスの解析を行った。その結果、ビネキシンノックアウトマウスは野生型マウスと同じく正常に生まれ、成熟し、生殖能力も持っていることが明らかとなった。また、ビネキシンが発現している組織を中心に組織切片を作成し、組織学的な解析を行ったが顕著な異常は見つからなかった。このように顕著な異常が見つからないのはファミリー分子の相補による可能性が考えられるが、来年度もさらに詳細に検討する予定である。 ビネキシン欠失による増殖因子シグナルと細胞接着に与える影響を細胞レベルより詳細に調べるために、ビネキシンノックアウトマウス13日胚より線維芽細胞を単離した。この細胞を用いて上皮細胞増殖因子および血小板由来増殖因子刺激によるMAPキナーゼ活性化、およびその活性化に対する細胞接着の影響を調べた。しかし、ビネキシンの欠失はビネキシンをNIH3T3細胞に強制発現させたときのようにMAPキナーゼ活性化、およびその細胞接着依存性には影響しなかった。そこで次に細胞接着によって引き起こされるFAK, P130CASなどのタンパク質リン酸化について検討したところ、ビネキシンノックアウト細胞でp130CASのリン酸化が変化している事を見出した。p130CASはリン酸化部位を介してSrcファミリーキナーゼやCrkといったさまざまなシグナル分子と結合するアダプタータンパク質として機能することが知られており、ビネキシンがこの分子を制御することによって細胞接着と増殖シグナルの合流、協調を制御している可能性が考えられる。 またビネキシンのSoHo領域に結合する蛋白質の候補として数種類の蛋白質をTwo-hybrid法によって単離した。来年度はこの結合について他の方法を用いて確認するとともに、それらの結合の意義について解明する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Suwa, A., Mitsushima, M., Ito, T., Akamatsu, M., Ueda, K., Amachi, T., Kioka, N.: "Vinexin beta Regulates the Anchorage Dependence of ERK2 Activation Stimulated by Epidermal Growth Factor"J Biol Chem. 277. 13053-13058 (2002)
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[Publications] Kioka, N., Ueda, K., Amachi, T: "Vinexin, CAP/ponsin, ArgBP2 : a Novel Adaptor Protein Family Regulating Cytoskeletal Organization and Signal Transduction"Cell Struct Funct. 27. 1-7 (2002)
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[Publications] Tanaka, A.R., Abe-Dohmae, S., Ohnishi, T., Aoki, R., Morinaga, G., Okuhira, K.I., Ikeda, Y., Kano, F., Matsuo, M., Kioka, N., Amachi, T., Murata, M., Yokoyama, S., Ueda, K.: "Effects of mutations of ABCA1 in the first extracellular domain on subcellular trafficking and ATP binding/hydrolysis"J Biol Chem. 278. 8815-8819 (2003)
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[Publications] mehara, H., Nishii, Y., Morishima, M., Kakehi, Y., Kioka, N., Amachi, T., Koizumi, J., Hagiwara, M., Ueda, K.: "Effect of cisplatin treatment on speckled distribution of a serine/arginine-rich nuclear protein CROP/Luc7A"Biochem Biophys Res Commun. 301. 324-329 (2003)
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[Publications] Tanaka, A.R., Tanabe, K., Morita, M., Kurisu, M., Kasiwayama, Y., Matsuo, M., Kioka, N., Amachi, T., Imanaka, T., Ueda, K.: "ATP binding/hydrolysis by and phosphorylation ofperoxisomal ATP-binding cassette proteins PMP7O (ABCD3) and adrenoleukodystrophy protein (ABCD 1)"J Biol Chem. 277. 40142-40147 (2002)