2002 Fiscal Year Annual Research Report
メタボローム解析による植物オルガネラ膜電子電達成分の分子多様性と機能特異性の解明
Project/Area Number |
14560288
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
太田 大策 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (10305659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 重雄 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10280067)
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Keywords | ミトクロムP450 / フェレドキシン / フェレドキシン還元酵素 / ミトコンドリア / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
シロイヌナズナゲノム上には偽遺伝子を含み約273種のP450遺伝子と,関連する電子伝達体遺伝子が14個存在することがわかった.そのうち,ミトコンドリア膜電子伝達成分として機能すると予想される新規のフェレドキシンとその還元酵素をコードする遺伝子に対して詳細な研究を行った.すなわち,シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ゲノムに2種のADXホモログ遺伝子(AtMFDX1,AtMFDX2)と単一のADRホモログ遺伝子(AtMFDR)を同定し,cDNAクローニングと異種発現系における機能解析,さらに細胞分画とイムノブロット解析,GFP一過性発現実験から,これらの遺伝子がコードするタンパクは植物ミトコンドリアに局在する電子伝達系を構成すること,さらに両遺伝子発現が花芽特異的であることを報告した.これらの結果から,AtMFDXとAtMFDRは花芽組織特異的な代謝経路に関与することが示唆された.これまで植物ミトコンドリア型P450とともに,ミトコンドリア型フェレドキシンとフェレドキシン還元酵素の存在は明らかになってなかった.そこで,遺伝子過剰発現による偶発的遺伝子発現抑制,RNAiおよびアンチセンスRNA発現による逆遺伝学的方法でAtMFDXとAtMFDRの生理機能を解明することを目的に,AtMFDX1のRNAi発現植物を9系統,AtMFDRのRNAi発現植物の5系統を得た.また,2種のAtMFDR1のT-DNA挿入変異系統を同定した.現在,これらの植物体の表現型とそれぞれの標的遺伝子の発現量について解析を行っている.
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