2004 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体前葉の発生・分化の過程で分泌顆粒の多様性はどのように確立されるか
Project/Area Number |
14570001
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
阪井 裕子 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40041826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 剛 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80220903)
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Keywords | 下垂体前葉 / 分泌顆粒 / 生後発達 / 免疫組織化学 / クロモグラニン / セクレトグラニン / 性腺刺激ホルモン産生細胞 / 性成熟 |
Research Abstract |
下垂体前葉では少なくとも5種類の内分泌細胞が区別され、それぞれ微細構造および構成成分に関して特徴のある分泌顆粒を有する。本研究課題では、まずラット下垂体前葉の発生分化過程におけるグラニン蛋白群の発現パターンおよび細胞内局在の変化を解析し、平成14年度には、下垂体前葉のプロラクチン産生細胞(PRL細胞)と甲状腺刺激ホルモン産生細胞(TSH細胞)におけるグラニン蛋白群の発現パターンから、この2種類の細胞系列の確立に寄与しているPit-1などの転写調節因子が、グラニン蛋白群の発現調節を介して分泌顆粒の特徴の確立に関与している可能性を報告した(研究発表欄の雑誌論文(2)に発表。また、この研究過程で得られた関連する知見を論文(1)(3)(4)に発表)。さらに,平成15年度からは、下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞の生後発達過程の解析を始め、生後3週までにいったん雌雄ともに同細胞内に出現したクロモグラニンAを含む大型分泌顆粒が、雌では性成熟が完了する生後6週までの間に消失することを発見した。この所見は,同細胞の微細構造が、加齢に伴う性ステロイドホルモン環境の雌雄差の確立過程に強く影響されることを示唆している。そこで,平成16年度には,この生後発達過程のさまざまな時点で下垂体組織からmRNAを抽出してDNAマイクロアレイを解析を行い,その結果得られた雌雄のラット下垂体における遺伝子発現の経時的変化と上述した微細構造上の変化との関連性を比較・検討した。現在この関連性を検証する追加実験を行っており,この両者の間の因果関係を明らかにできたところで論文としてまとめ発表する予定である。
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Research Products
(4 results)