2002 Fiscal Year Annual Research Report
精巣におけるアクチンと制御分子、微小管、水チャンネルの局在と精子形成への関与
Project/Area Number |
14570003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
豊田 二美枝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60009751)
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Keywords | aquaporin 7 / aquaporin 8 / 造精細胞 / セルトリ細胞 / 精子形成 |
Research Abstract |
水チャンネルAquaporin(AQP)は膜内外の浸透圧差に従って水を双方向に移動させ得る。精巣にはAQP7と8の存在が知られている。我々は光顕レベルでAQP7が伸長した精子細胞の細胞質と細胞膜に局在することを報告し、この分子が精子の完成期に起こる急激な体積減少に水の流出路として機能する事を示唆した。 Suzuki-Toyota F et al. (1999) Cell Tissue Res 295: 279-285 (1)電顕レベルでのAQP7のラット精上皮内局在 AQP7のC末合成ペプチドを抗原として抗体を作成し免疫組織化学法により、成熟ラットの精上皮におけるAQP7の局在を観察した。その結果、陽性反応は伸長した精子細胞の細胞質と細胞膜に局在することが電顕レベルでも確認された。(自治医科大学・薬理学・石橋賢一との共同研究) (2)光顕レベルでのAQP8のラット精上皮内局在 市販のaffinity purified AQP8抗体を用いて(1)と同様に光顕レベルの観察を行った。その結果、陽性反応は精上皮内に限定され、セルトリ細胞と密に接している全造精細胞の周辺に認められた。陽性反応の強弱にはステージ特異性が見られ、離出直前の精子細胞の頭部近辺がもっとも濃染した。セルトリ細胞陽性の根拠としては(1)造精細胞を欠く直精細管のセルトリ細胞が陽性である。(2)濃縮精子細胞頭部周辺にセルトリ細胞特異的形状を示す星形濃染部が見られる。これらの事実はAQP8がセルトリ細胞に発現し、精細管内腔液の生産に関与する事を示唆する。造精細胞に発現している可能性も否定出来ないので、電顕レベルでの観察を続行中である。
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Research Products
(1 results)