2002 Fiscal Year Annual Research Report
コネキシン45遺伝子変異動物による中枢神経系細胞性ネットワークの研究
Project/Area Number |
14570016
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 桂一郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20172398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 清雅 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20264020)
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Keywords | connexin45 / gap junction / knockout mice / central nervous system / lac Z / electron microscopy / immunocytochemistry / confocal laser scanning microscopy |
Research Abstract |
当教室で作製したコネキシン45遺伝子をマーカー遺伝子としてのLacZと置換した遺伝子変異マウスについて、中枢神経系に注目してコネキシン45の発現様式を検討した。 1.X-gal染色によるコネキシン45mRNA発現細胞の組織内分布の観察 新しい試みとして、ヘテロ接合体成獣の分断していない脳全体を冠状断および矢状断の厚さ1mmのスライスとしてX-gal染色を行ない、水溶性樹脂Technovit7100包埋し、1〜5μmの連続切片を作製した。一部の切片をNeutral Redによりカウンター染色を行い観察・記録した。今回使用した実験動物では、置換したLacZ遺伝子には核移行シグナル(NLS)が付加されており、これまでに観察した消化管および血管の平滑筋など、コネキシン45のmRNAを発現している細胞は核全体が青緑色のLacZ陽性反応を示す。しかし、中枢神経系の細胞にみられるLacZ陽性所見は核の周辺に限局していることが多かった。同じ試料について、抗LacZ抗体を用いて免疫組織化学的にLacZ陽性細胞を検出する方法では同等の細胞が免疫陽性と判断され、核周囲のLacZ陽性反応は非特異的反応ではないと判断できる。LacZ陽性所見は特定の神経核に分布する各種神経細胞に限られた。より詳細な検討が要求されるものの、神経膠細胞の陽性所見は観察されていない。 2.コネキシン45mRNA発現細胞の微細形態の観察 光顕観察では青緑色に呈色するLacZのX-gal染色による反応産物は、電顕下では電子密度がやや高い不均質な物質として観察され、陽性細胞が識別可能であった。光顕で核周囲に反応が見られた神経細胞の電顕観察では、反応産物は核膜の間の空間にみられ、光顕所見を裏ずける結果であった。反応産物の分子量あるいは形状により、核膜孔を通過できなかったものと考えられる。 これらの結果については、2003年1月の日本病態生理学会シンポジウムで発表し、2003年3月日本生理薬理合同学会、4月日本解剖学会、6月日本電子顕微鏡学会のシンポジウムで発表予定である。現在、生後発育期におけるLacZ陽性細胞の動態について解析を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中村桂一郎: "ギャップ結合による細胞性ネットワーク -消化管運動ペースメーカー細胞を中心にして-"電子顕微鏡. 37. 188-193 (2002)
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[Publications] Shibata Y: "Diversity and molecular anatomy of gap junctions"Med Electron Microsc. 34. 153-159 (2001)
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[Publications] Kawabuchi M: "The spatiotemporal relationship among Schwann cells, axons and postsynaptic acetylcholine receptor regions during muscle reinnervation in aged rats"Anat Rec. 264. 183-202 (2001)
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[Publications] Tsutsui H: "Enhanced generation of reactive oxygen species in the limb skeletal muscles from a murine infarct model of heart failure"Circulation. 104. 134-136 (2001)