2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡ならびに原子間力顕微鏡による細胞膜微細構造解析
Project/Area Number |
14570021
|
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
藤本 和 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (50159125)
|
Keywords | 電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 凍結割断 / 細胞膜 / 生体膜 / 免疫細胞化学 / プルキンエ細胞 / グルタミン酸受容体 |
Research Abstract |
平成14年度は試料作製法の実際的な手技を確立することを目的に研究を行った. A.メッシュの仕様,レプリカの回収と電子顕微鏡観察について 1.単孔メッシュにフォルムバール支持膜を張り,炭素蒸着を施すことによって補強した. 2.白金ならびに炭素蒸着したレプリカ面が支持膜に接着するように上記のメッシュでレプリカを回収する. 3.膜の疎水性面の観察:レプリカを透過型電子顕微鏡で,極低倍から高倍率まで,種々の倍率で観察,写真撮影を行う. B.原子間力顕微鏡観察法について 1.洗浄したカバーグラスに蒸留水を一滴たらし,その水滴にTEM観察した単孔メッシュを浮かべる.水を濾紙で吸い取り,乾燥させて,単孔メッシュをガラス面に付着させる.ついで,フォルムバール膜をガラス面に残すようにして,単孔メッシュを取り除く. フォルムバール膜に付着したレプリカ膜(生体膜monolayer)の親水性表面を走査プローブ顕微鏡エクスプローラ(現有機器)で観察する. C.電子顕微鏡ならびに原子間力顕微鏡による同一部位観察の試みについて グルタミン酸受容体δの免疫標識を行ったラット小脳のレプリカの観察結果を以下に記す. 透過電顕観察によって,免疫標識がプルキンエ細胞シナプス後膜のE面に認められた.同一部位を原子間力顕微鏡で見出すことは可能であった.高倍率観察によって直径10nm程度の粒状構造がシナプス後膜の表面に密集して存在していることが明らかになった.標識に使用コロイド金粒子の径が10nmであったために,膜表面粒子との識別は困難であった.本結果より,電子顕微鏡ならびに原子間力顕微鏡による同一部位観察は可能であることが明らかになった.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Makino A, et al.: "Cinnamycin (Ro 09-0198) promotes cell binding and toxicity by inducing transbilayer movement"J.Biol.Chem.. 287. 3204-3209 (2003)
-
[Publications] Fujimoto, K.: "Membrane lipid distribution revealed by freeze-fracture replica and freeze-substitution labeling"The 15th International Congress on Electron Microscopy Proceedings. 2. 127-128 (2002)