2002 Fiscal Year Annual Research Report
心臓弁や中隔原基の心内膜床形成に関わるH8D8蛋白の遺伝子クローニングと機能解析
Project/Area Number |
14570023
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中島 裕司 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80207795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 敏之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60255122)
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Keywords | 心臓形態形成 / 心内膜床 / 誘導因子 / H8D8蛋白 |
Research Abstract |
胚発生において心臓の弁や中隔は心内膜床から形成される。この心内膜床は胚心臓の流出路や房室管に形成される間葉細胞であり、この間葉細胞は胚心臓の内皮細胞が間葉細胞に形質転換し形成される。この内皮-間葉形質転換は心筋から分泌される未知の誘導因子により誘導されることが判っている。我々はこの未知の誘導因子を明らかにするため,胚心筋培養上清から得た粗精製標品を抗原としモノクローナル抗体を作製した。クローンH8D8は心内膜床形成時にその領域に発現し、器官培養で心内膜床形成を抑制した。そこでこの抗体を用いて遺伝子クローニングを開始した。【研究実績】(1)胚心筋培養上清中での内因性H8D8蛋白の検出、(2)ニワトリ胚心臓のmRNA抽出とcDNAライブラリーの作製【方法】(1)胚心筋から目的遺伝子のクローニングを行うに先立ち、胚心筋に内因性のH8D8蛋白産生能があることを確認した。そのために胚心筋を培養し、アイソトープを標識後、得られた培養上清を用いて免疫沈降反応を行った。(2)H8D8抗体による免疫染色で陽性反応があったステージ14-16のニワトリ胚心臓を約800個集め、AGPC法にてmRNAを抽出しcDNAを作製した。得られたcDNAからゲル濾過法により分子量の大きなcDNAを得た。【結果】(1)SDS-PAGEフルオログラフィーにより胚心筋培養上清より分子量約70KDのバンドを得ることができ、胚心筋がH8D8蛋白を産生していることが証明された。(2)エチジウムブロマイドプレートアッセイの後、pCMV-Scriptへのライゲーションを行い、約15万コロニーをスクリーニング可能なライブラリーを得た。【今後の展開】得られたライブラリーをインビトロトランスレーション法あるいは動物細胞に発現させ、H8D8抗体にてスクリーニングを行う。
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