2002 Fiscal Year Annual Research Report
消化管上皮の再構築に関わる結合組織由来因子の機能的解析
Project/Area Number |
14570025
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
岡 敦子 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (50175254)
|
Keywords | 消化管 / 器官再構築 / 組織間相互作用 / 甲状腺ホルモン応答遺伝子 / 幹細胞 / 骨形成蛋白質 / 遺伝子導入 / 器官培養 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の消化管上皮は、結合組織との相互作用の下に、哺乳類類似の上皮へと再構築される。この過程は甲状腺ホルモン(TH)により誘導されることから、本実験動物では、再構築に関わる遺伝子をTH応答遺伝子として解析していくことが可能である。申請者らはこれまでに、結合組織で発現し、幹細胞からの哺乳類型上皮形成に関わるTH応答遺伝子の候補として、骨形成蛋白質-4(BMP-4)を見出した。本年度は、BMP-4の機能を明らかにするため、BMP-4蛋白質と、その機能阻害物質Chordinを用いて、小腸の器官培養実験を行った。培養細胞を免疫組織化学的手法により解析した結果、BMP-4は上皮の細胞分化には促進的に、結合組織の細胞増殖には抑制的に作用することを示す知見を得た。さらに、RT-PCRおよびin situ hybridization解析により、両組織ともにBMP-4の受容体を発現していることを確かめた。また、BMP-4の発現時には、BMP-1とChordinが一過性に発現することから、これらの物質がBMP-4の働きを調節している可能性も示唆された。 また、本年度では、次年度以降の計画を遂行するために、エレクトロポレーション法を用いて、小腸細胞への遺伝子導入のための条件設定を行った。GFPの発現を指標に、上皮細胞に広範囲に渡って、少なくとも3日間程度は発現が維持される培養条件を見出した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Shimizu, K., Ishizuya-Oka, A., Amano, T., Yoshizato, K., Ueda, S.: "Isolation of connective tissue-specific genes involved in Xenopus intestinal remodeling : thyroid hormone up-regulates Tolloid/BMP-1 expression"Dev. Gene Evol.. 212. 357-364 (2002)
-
[Publications] 岡 敦子: "武藤徹一郎監修「大腸癌」第III章発生と解剖1. 組織発生"日本メディカルセンター. 72-75 (2002)