2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570028
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今西 宣晶 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00184820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 英雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50129558)
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60138013)
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Keywords | 皮膚 / 皮下組織 / 血管解剖 / 動脈 / 静脈 / 3次元 / 血管造影 / 皮弁 |
Research Abstract |
平成15年度においては、ステレオ写真で得られた3次元像の表示方法について検討を行った。市販およびfree shareの3次元ソフトを使用し血管樹の作成を試みた。レントゲン像に映っている血管径は細いもので50ミクロン程度であり、拡大表示した微小領域においてもその血管像は複雑であり、ソフト経由マニュアルで再構築をすると情報量が少なくなりまた元の状態を忠実に反映している像とはならなかった。そこで忠実に詳細に実物を反映する手段としてマイクロフォーカスX線CT(島津製作所)に着目した。撮影物としてなるべく立体関係が容易に把握できる喉頭蓋を対象物とした。肉眼的に観察を行いおよその喉頭蓋栄養動脈の立体構造を把握した上で標本の撮影を行った。対象物の高さが18mmでこれを457のライン(およそ40ミクロンのスライス幅)で断層撮影を行った後、この情報の3次元処理を行った。画面上で3次元像を回転して見ることが可能であるため、その構造を容易に理解することが可能であった。このことは第7回臨床解剖研究会で発表した。次に情報量が多い背部の動静脈造影皮膚標本を作製しマイクロCT撮影を試行した。動静脈はその形態の区別および3次元構造を把握することが可能であり、観察した範囲ではこれまで得られた結果の再確認ができた。すなわち、皮膚皮下組織には動脈と伴走する伴行静脈系と伴走しない皮静脈系があり、立体構造を考えると皮静脈系は深部静脈の側副路ではなく、主に真皮を栄養した血液の環流路という明確な機能をもったものであると考えられた。この研究を基にさらに全身の観察を行うことによって静脈系の新しい概念の確立が可能であると考えられる。また平成15年度においては、深下腹壁動静脈の穿通枝における動静脈の3次元的相互関係の論文が受領された。また、動脈系だけだが頸部の皮膚栄養動脈の3次元的構造を観察し論文を投稿した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Imanishi, H.Nakajima, T.Minabe, H.Chang, S.Aiso: "Anatomical relationship between arteries and veins in the paraumbilical region."British Journal of Plastic Surgery. 56. 552-556 (2003)