2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570042
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉田 繁 近畿大学, 理工学部, 教授 (60145224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 達磨 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60290912)
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Keywords | マウス / 上衣細胞 / ナトリウムチャネル / 濃度依存性 |
Research Abstract |
濃度依存性ナトリウムチャネル(Nacと略記、C : concentration)の性質を詳しく調べるために、Nacを多く含んでいる第三脳室上衣細胞(特にタニサイトtanycyteと呼ばれている)の特性を解析した。実験動物は、分子生物学実験に広く使われているC57BL/6Jマウスを使用した。 1)脳血液関門とタニサイト マウスの尾静脈または腹腔にトリパンブルーという色素を注入すると、全身臓器は青く染まったが脳と脊髄は染色されなかった。しかし、脳のスライスを作成して詳細に調べたところ、第三脳室壁は染まっていた。よって、タニサイトの存在場所は血液脳関門を欠いているので脳脊髄液Na^+濃度の正確な測定が可能であることが判明した。 2)タニサイトの形態 タニサイトの性質を解析するために、生きている状態で単離可能であるか、また他の細胞とは異なる形態学的特徴があるかを調べた。トリプシンで単離したタニサイトは細長い細胞体と長い突起が特徴であり、同定可能であることを確認した。 3)タニサイトの機能 タニサイトの電気生理学的性質を、全細胞記録法(whole-cell recording)で調べた。膜電位依存性のカリウムチャネルは存在しているが、電位依存性ナトリウムチャネル(Navと略記、V : voltage)を欠くことが判明した。一方、周囲に存在する神経細胞はカリウムチャネルとNavの両者を備えていたが、Nacを持ってはいなかった。タニサイト自身は活動電位を発生せず、Na^+濃度を感知する感覚細胞として働いていると考えられる。 4)情報伝播様式 タニサイトが感知した「Na^+濃度情報」が隣接する他のタニサイトや神経細胞にどのようにして伝達されるかを調べるために、第三脳室を含む脳スライスを作成してNa^+濃度情報伝播様式の画像解析を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ogata, N., Yoshida, S.: "New perspectives on the structure and function of sodium channel multigene family"Current Medicinal Chemistry -Central Nervous System Agents. 2. 59-81 (2002)
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[Publications] Hiyama, T.Y., Watanabe, E., Ono, K., Inenaga, K., Tamkun, M.M., Yoshida, S., Noda, M.: "Na_X channel involved in CNS sodium-level sensing"Nature Neuroscience. 5. 511-512 (2002)
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[Publications] Yoshida, S.: "Functional twist-springkler model of the voltage-gated sodium channel based on its multi-3D structure"5th Scientific Congress, Federation of Asian & Oceanian Physiological Societies (FAOPS). Abstract Book. 147 (2002)