2002 Fiscal Year Annual Research Report
幼若時脳障害を受けたラットの成長後の生理機能に対する環境温度の効果
Project/Area Number |
14570057
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
細野 剛良 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60294104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 裕償 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40324751)
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Keywords | 脳障害 / 環境温度 / 低酸素 / 聴性脳幹反応 / 体温調節 |
Research Abstract |
今日、脳低温療法が臨床医学の場で注目されている。脳受傷直後の急性期に体温を低く維持し、回復後の脳障害を軽減するものである。本療法は最近では新生児の分娩時低酸素脳症による脳障害に対する治療法としても注目されている。新生児のdeveloping brainの低酸素低灌流障害に対する脳低温療法の機序・効果を厳密に見直し、動物実験にて主な脳内関連部位の解明、機能回復の程度の解明、メカニズムの解明をしようとして、本年度は以下の検討を実施した。 ・モデル動物の作成生後7日目のWistar新生仔ラットをハロセン麻酔の上、顕微鏡下に左総頚動脈を露出し結紮し、8%酸素、環境温35℃のチャンパーに1時間収容した。ついで自律性行動性体温調節を抑制するために、低濃度ハロセンを合む酸素20%のチャンパーに入れ、チャンパーを湯浴に浮かせて、直腸温37℃あるいは30℃になるように環境温度を調節した。温度負荷終了後、6週間以上の飼育が可能であった。 ・行動実験の基礎的検討 Stair case test:長さ20cm幅10cm高さ14cmのプラットホームを作成し、その側に階段をつけた。ラットを階段上に収容できるが、階段上のペレットは同じ側の前肢でのみ取得できるようにした。階段上にペレット餌を1ヶずつおき、ラットが前肢の可動範囲でのみペレット餌を摂れる実験装置を作成した。 聴性脳幹反応:音響刺激装置(直径0.5cm長さ1cm小型スピーカー)をラット両耳に挿入する。左右スピーカーからパルス音を呈示し、誘発脳波を測定する実験系の作成に着手した。 ・組織学的実験 ラットを深麻酔下に全脳を摘出し、左右半球に脳を正中で切断し重量を測定する系を確立し、大脳皮質、海馬のスライス標本に対する免疫組織学的検討を試みている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshida K, Maruyama M, Hosono T, Nagashima K, Fukuda Y, et al.: "Fos expression induced by warming the preoptic area in rats"Brain Research. 933. 109-117 (2002)
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[Publications] Tomimatsu T, Fukuda H, Endoh M, Junwu Mu, Kanagawa T, Hosono T, et al.: "Long-term neuroprotective effects of hypothermia on neuronal hypoxic-ischemic brain injury in rats, assessed by auditory brainstem response"Pediatric Research. 53. 57-61 (2003)