2002 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズムの初期発現と視交叉上核からの概日リズム情報の伝達機構の解析
Project/Area Number |
14570063
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
磯部 芳明 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70094357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 慎一 山口大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10274151)
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Keywords | 概日リズム / 時計遺伝子 / Per / Bmal1 / vasopressin |
Research Abstract |
哺乳動物の概日リズムの中枢である視交叉上核(Suprachiasmatic nucleus, SCN)での約24時間の振動機構と時計情報の伝達様式を知る目的で時計遺伝子(mRNA)を指標として生後発達過程とSCNから他の脳部位への出力様式について検討している。 時計機構の生後発達に関して、明暗周期(LD)下で生まれた動物(ラット)を生下日に盲目としLD下で生母に2週齢まで育てさせた場合とLD下で生まれた仔ネズミを生下日から恒暗下で生母とともに2週齢まで育てさせたのを比較すると盲目にした場合の方がPer2,AVP, Bmal1のmRNAは共通して自由継続リズムの頂値位相が早い時間帯に認められた。この結果は予想と反しており仔を盲目にした場合の母親のentraining効果を今検討中。時計遺伝子の発現は遺伝的に決定されている、しかしこの遺伝子発現の様式が母親を含めた外界の環境と仔ラットの内的環境により発現様式が異なる点は興味ある事と考えている。 SCNからの出力様式をmelatonin投与後の時計遺伝子(mRNA)の発現を指標として脳内に限って検討した。rPer2はSCNで明期暗期共に増加するがPVNでは明期で減少、暗期で増加の傾向をとり、松果体ではPVNと同様な変動を示した。この事から、SCNからの室傍核(PVN)を経由し松果体に至る経路がある事がmRNAのレベルで推測できた(第49回中部生理学会発表、投稿準備中)。SCN内での時計機構と従属時計としての松果体での振動様式は必ずしも一致しないし、その伝達様式も異なる事が十分考えられる。本年度は共同研究者の井上の経過報告はできないが来年度に期待している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Isobe, K.Nishihara: "Serotonin-stimulated glutamate release from the SCN explant cuHure was higher during light period"Brain Research Bull.. 58(4). 401-404 (2002)
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[Publications] Y.Isobe, T.Torri, E.Konishi, J.Fujioi: "Effects of melatonin on running-wheel activity and body temperature differ by the time of day"Pharmacol. Biochem. Behav. 73. 805-811 (2002)