2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスからみた疾病予防のための適正な運動の在り方とその科学的根拠の確立
Project/Area Number |
14570069
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 逸 順天堂大学, 医学部, 助教授 (40276499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河盛 隆造 順天堂大学, 医学部, 教授 (00116021)
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学部, 講師 (60343480)
酒井 謙 順天堂大学, 医学部, 助手 (70333044)
前田 士郎 理化学研究所, 遺伝子多型解析センター, チームリーダー (50314159)
形本 静夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50053343)
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Keywords | 酸化ストレス / 疾病予防 / 糖尿病 / 遺伝子多型 / 細胞内脂質 / インスリン抵抗性 / 疾病予防 |
Research Abstract |
対象者として75g-OGTTにおける正常耐糖能者、耐糖能異常者、糖尿病者の3群に加えて、スポーツ健康科学部に所属する男子長距離陸上競技選手を順次、登録中であり、臨床背景因子の整理と遺伝子検体の採取、DNA抽出を開始している。 1.1H-MRSによる細胞内脂質量の評価 1H-MRSによる筋肉、肝臓細胞内脂質量のベースライン評価とともに、食事や運動に関する生活習慣改善が細胞内の脂質量やインスリン感受性に及ぼす効果を検討した。ベースラインの筋肉細胞脂質量は正常耐糖能者が最も低値、耐糖能異常者や糖尿病者は病的に過剰蓄積、運動選手ではトレーニング効果により合目的的に蓄積していること、またベースラインの肝臓細胞脂質量は運動選手、正常耐糖能者、耐糖能異常者、糖尿病者の順に高値であることを見出した。耐糖能異常者や糖尿病者に対する運動療法は筋肉細胞内脂質を減少させ、インスリン感受性を改善すること、食事療法は肝細胞内脂質を減少させ、肝糖取り込み能を改善することを明らかにした。 2.酸化ストレス関連遺伝子多型の検討 遺伝子検体を用いてPCR-RFLP法により、ACE、Mn-SOD、MTHFR、MCP-1、CCR2、CCR5、RANTES、NAD(P)H-Oxidaseなどの酸化ストレス関連遺伝子のSNP解析と臨床的な酸化ストレス指標(赤血球膜中の酸化コレステロール、酸化ヘモグロビン(CMV-Hb))の測定を開始している。また早期動脈硬化症の指標である頚動脈内膜・中膜複合体肥厚度を超音波検査により評価し、SNPや酸化ストレスの臨床指標との相関を検討中である。
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