2003 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンの摂食抑制作用の解析:セロトニン及び一酸化窒素の役割に関する検討
Project/Area Number |
14570093
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山田 潤 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40140412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 由美 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (50187671)
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Keywords | レプチン / セロトニン / 一酸化窒素 / 摂食調節 / インスリン |
Research Abstract |
抗肥満因子であるレプチンが絶食マウスにおいて摂食抑制作用を惹起することが、前年度の研究結果により明らかになった。最近、一酸化窒素は摂食調節に関与することが示唆されているが、レプチンとの関連は不明である。そこで今年度はレプチンの摂食抑制作用と一酸化窒素との関連について検討を行った。レプチンが摂食抑制作用を示す用量を投与したマウス脳内のNOx(一酸化窒素代謝物)濃度の変動について検討を行ったところ、レプチンは脳内NOx濃度に影響を与えることなく、摂食抑制作用を引き起こすことを明らかにした。またセロトニン枯渇薬がレプチンの摂食抑制作用に対し、拮抗作用を示すことが前年度の研究により明らかになったので、さらにレプチンの摂食抑制作用とセロトニン作動性神経との関係について明らかにするため、セロトニン受容体サブタイプ拮抗薬を用いて検討を行った。その結果、レプチンの摂食抑制作用はセロトニン2B/2C受容体を介して発現することを明らかにした。したがって、レプチンの摂食抑制作用にセロトニンが強く関与することが示唆された。また、セロトニンの前駆体である5-hydroxytryptophan(5-HTP)が血清レプチン濃度上昇作用を引き起こすことが明らかとなったので、さらにその作用機序について検討を行った。5-HTPの血清レプチン濃度上昇作用はインスリンの併用により増強され、インスリンを枯渇させるストレプトゾトシンにより明らかに抑制された。さらに、5-HTPは血清インスリン濃度を上昇させた。したがって、インスリンが5-HTPの血清レプチン濃度上昇作用に役割を担っていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.Yamada, Y.Sugimoto, H.Hirose, Y.Kajiwara: "Role of Serotonergic Mechanisms in Leptin-induced Suppression of Milk Intake in Mice"Neuroscience Letters. 348・3. 195-197 (2003)
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[Publications] J.Yamada, Y.Sugimoto, M.Ujikawa, T.Yagura, H.Goko: "Hyperleptinemia Elicited by the 5-HT Precursor, 5-Hydroxytryptophan in Mice : Involvement of Insulin"Life Sciences. 73・18. 2335-2344 (2003)
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[Publications] Y.Sugimoto, H.Hirose, T.Yagura, J.Yamada: "Leptin Inhibits Food Intake without Affecting Brain NOx Levels in Food-deprived Mice"Biological and Pharmaceutical Bulletin. 26・1. 105-107 (2003)
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[Publications] J.Yamada, Y.Sugimoto, M.Ujikawa: "Effects of Insulin and Adrenalectomy on Elevation of Serum Leptin Levels Induced by 5-Hydroxytryptophan in Mice"Biological and Pharmaceutical Bulletin. 26・10. 1491-1493 (2003)