2003 Fiscal Year Annual Research Report
薬物依存における電位依存性カルシウムチャネル動態解析と依存形成機序解明への応用
Project/Area Number |
14570095
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
桂 昌司 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80204452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 悟 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90069055)
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Keywords | 薬物依存 / 高電位開口性カルシウムチャネル / diazepam binding inhibitor / 初代培養大脳皮質神経細胞 / 蛋白質リン酸化酵素 / up-regulation / カルモデュリン / 依存性薬物 |
Research Abstract |
本研究では、(1)薬物依存症患者およびそのモデル動物における退薬症候の治療にカルシウム拮抗薬が一部有効であること、および(2)依存性薬物の長期投与に伴う内在性不安誘発物質[diazepam binding inhibitor(DBI)]の脳内発現の調節に細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が共通機構として関与している可能性が強く考えられることから、各種依存性薬物による依存成立時および退薬症候発現時の高電位開口性Ca^<2+>チャネル(HVCC)の脳内変化を解析することにより、DBI発現機序との関連性を明確にすることを目的として行った。本年度は、HVCCs機能の調節機構の1つとしてそのα1 subunitのリン酸化が知られている。そこで、脳内DBI発現の増加の原因と考えられるL型HVCC α1 subunit発現の増加に及ぼす蛋白リン酸化の影響について、初代培養大脳皮質神経細胞を用いて検討を行った。Protein kinase C(PKC)阻害薬(cererythrineおよびcarphostin C)は、いずれも30mM KCl誘発性[^<45>Ca^<2+>]流入に影響を与えなかった。同様に、protein kinase A(PKA)阻害薬(KT-5720)、calmodulin/CaM kinase II阻害薬(KN-62)、calmodulin拮抗薬(W-7)のいずれも30mM KCl誘発性[^<45>Ca^<2+>]流入に影響を与えなかった。これらのことから、上記の阻害薬は神経細胞膜脱分極により開口するP/Q、NおよびL型HVCCの生理的機能に影響を与えないことが確認された。さらに、これらprotein kinase阻害薬をアルコール連続曝露開始前より処置したが、アルコール長期曝露後に見られる30mM KCl誘発性[^<45>Ca^<2+>]流入の増加には何ら影響が認められなかった。 本研究の結果から、アルコールの長期曝露後に認められるL型VDCC α1 subunit発現の増加に起因するL型VDCCsの機能亢進には、少なくともPKC、PKAおよびCaM kinase II等によるL型VDCC α1 subunitタンパク質のリン酸化は関与していない可能性が示唆される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Mohri Y. et al.: "L-Type high voltage-gated calcium channels cause an increase in diazepam binding Inhibitor mRNA expression after sustained exposure to ethanol in mouse cerebral cortical neurons."Brain Res.Mol.Brain Res.. 113. 52-56 (2003)
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[Publications] 桂 昌司: "薬物依存形成におけるdiazepam binding inhibitor(DBI)発現とL型電位依存性カルシウムチャネルの機能的関連性"神経化学. 42. 47-59 (2003)
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[Publications] 大熊誠太郎, 桂 昌司: "4.脳細胞分離・培養法"生物薬科学実験講座 神経(脳)II. 11. 30-53 (2003)
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[Publications] Ohsawa, Y. et al.: "Overexpression of P104L mutant caveolin-3 in mice develops hypertrophic cardiomyopathy with enhanced contractility in association with increased endothelial nitric oxide synthase activity."Human Mol.Gen.. 13. 151-157 (2004)
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[Publications] Katsura, M. et al.: "Continuous exposure to nitric oxide enhances diazepam binding inhibitor mRNA expression in mouse cerebral cortical neurons."Brain Res.Mol.Brain Res.. (in press). (2004)
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[Publications] Katsura, M., Ohkuma, S.: "Pharmacological basis for management of drug dependence."Ann.New York Acad.Sci.. (in press). (2004)
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[Publications] 大熊誠太郎, 桂 昌司(分担): "覚せい剤精神病と麻薬依存(佐藤光源, 櫻井映子編)"東北大学出版会. 186 (2004)