2003 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化発症の原因となるLDLの酸化的修飾に関する機能分子とその機構の解明
Project/Area Number |
14570101
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 吉孝 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10236333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 谷博 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60127876)
村上 尚 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40210009)
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Keywords | 12 / 15-リポキシゲナーゼ / マクロファージ / 酸化LDL / LDL受容体関連蛋白 / コレステロールエステル |
Research Abstract |
我々は、これまで動脈硬化発症に重要な役割を果たす酸化型LDLの生成にマクロファージの12/15-リポキシゲナーゼが必須であることを、本酵素を安定発現させたマクロファージ様細胞株J774A.1を用いて示してきた。さらに、マクロファージに発現するLDL受容体関連蛋白(LRP)がLDLと結合することが、12/15-リポキシゲナーゼによるLDLの酸化に必須であることを示した。このマクロファージ上のLRPを介した12/15-リポキシゲナーゼによるLDLの酸化機構をさらに詳細に調べるために行った前年度の研究により、LDLがLRPに結合することにより細胞質に存在する12/15/-リポキシゲナーゼが細胞膜に転移し、この転移がLDLの酸化に必須であることが示された。本年度は、LRPを介してLDL粒子からコレステロールエステルが細胞膜に選択的に取り込まれることを証明するため以下の実験を行った。蛍光色素DiIで標識したLDLをLRPを発現するマクロファージとインキュベートすると、細胞は蛍光色素でdiffuseに染色された。LDLとインキュベートした酵素発現細胞株を抗ApoB抗体を用いて免疫染色を行い共焦点顕微鏡で観察すると、抗LDL受容体抗体の存在下では細胞膜のみが染色されたが抗LRP抗体の存在下では細胞質が染色された。さらに、^<125>Iで蛋白部分を、^3Hでコレステロールエステル部分をそれぞれ標識した二重標識LDLを細胞とインキュベートすることにより、^3Hが選択的に細胞膜に取り込まれていることが確認された。この選択的取り込みも抗LRP抗体の存在下では阻害されたが、抗LDL受容体抗体の存在下では阻害されなかった。以上の結果より、LRPを介してLDLから細胞膜に選択的に取り込まれたコレステロールエステルが、細胞膜に転移した12/15-リポキシゲナーゼにより酸化されることが強く示唆された。これらの結果は現在投稿準備中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Zhu, H., Y.Takahaahi, W.Xu, H.Kawajiri, T.Murakami, et al.: "Low density lipoprotein receptor-related protein-mediated membrane translocation of 12/15-lipoxygenase is required for oxidation of low density lipoprotein by macrophages"Journal of Biological Chemistry. 278. 13350-13355 (2003)
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[Publications] Xu, W., Y.Takahashi, T.Iwasaki, H.Hattori, et al.: "LDL receptor-related protein plays an essential role in 12/15-lipoxygenase-mediated LDL oxidation by macrophages"Advances in Experimental Medicine and Biology. 525. 181-184 (2003)
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[Publications] Takahashi, Y., T.Yoshimoto: "Frontiers in lipoxygenase research : Roles in progress of atherosclerosis and cancer"Jikkenn Igaku. 21. 1771-1774 (2003)