2003 Fiscal Year Annual Research Report
試験管内培養系検証システムの確立による抗体可変部遺伝子体細胞突然変異機構の解明
Project/Area Number |
14570105
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 章 京都大学, 医学研究科, 教授 (00162694)
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Keywords | 抗体遺伝子 / AID / Pax5 / Id2 / E2A / 転写制御 / クラススイッチ / 体細胞突然変異 |
Research Abstract |
本研究によって、Id2遺伝子の破壊マウスにおいて、血清中のIgE量が著増することの主な分子基盤が、Bリンパ球におけるε鎖へのクラススイッチ組換えが著明に亢進していること、この組換えが転写因子E2Aによって活性化されるε鎖非組換え型転写に依存していること、正常Bリンパ球ではTGF-β1の信号を受けてId2の発現が誘導され、これがE2Aの作用を阻害することによってε鎖非組換え型転写を抑制する結果、ε鎖へのクラススイッチ組換えが特異的にきわめて低く抑えられていることなどを明らかにした。 さらに、同じId2遺伝子の破壊マウスにおいて、Bリンパ球におけるクラススイッチ組換えと体細胞突然変異に必須の因子である、AIDの遺伝子転写活性も著増していることを見いだした。Id2遺伝子を過剰発現するとクラススイッチ組換えが抑制されることが知られていたが、本研究で、この抑制はId2がAID遺伝子の転写を抑制する結果であることを証明し、この分子基盤として、AIDの遺伝子転写が転写因子Pax5に依存していること、Id2がPax5の活性に拮抗して働いていることなどによるものであることを、特異的発現に必要十分な制御配列の同定とその詳細な解析によって明らかにした。以上のように、E2A、Pax5などのような転写活性化因子群とId2をはじめとする転写抑制因子群の活性バランスがリンパ球の機能発現においてきわめて大きな意味を持っていると考えられた。これはリンパ球の活性化制御を理解する上で重要な知見である。 一方、Id2遺伝子の破壊マウスではAIDの遺伝子発現量が著増しているにもかかわらず、体細胞突然変異率においては正常マウスと差が認められなかった。この事実はAIDがクラススイッチ組換えと体細胞突然変異に必須の因子であるが、これとは別の安全維持機構があり、これによってAIDの量だけで組換えや変異の量が制御されているのではないことを意味している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nambu, Y. et al.: "Transcription-coupled events associating with immunoglobulin switch region chromatin"Science. 302・5653. 2137-2140 (2003)
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[Publications] Gonda, H. et al.: "The balance between Pax5 and Id2 activities is the key to AID gene expression"J.Exp.Med.. 198・9. 1427-1437 (2003)
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[Publications] Katakai, T. et al.: "Th1-biased tertiary lymphoid tissue supported by CXCL13-producing stromal network in the chronic lesions of autoimmune gastritis"J.Immunol.. 171・8. 4359-4368 (2003)
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[Publications] Sugai, M. et al.: "Essential role of Id2 in negative regulation of IgE class switching"Nature Immunol.. 4・1. 25-30 (2003)
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[Publications] Kusunoki, T. et al.: "TH2 dominance and defective development of CD8^+ dendritic cell subset in Id2-deficient mice"J.Allergy Clin.Immunol.. 111・1. 136-142 (2003)