2002 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロンとプロテアーゼの接点:シャペロン型NDPキナーゼの発見と変性疾患解析
Project/Area Number |
14570121
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢野 仁康 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (40304555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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Keywords | Hsp70 / 分子シャペロン / プロテアソーム |
Research Abstract |
1.Hsp70のヌクレオチド交換反応の作用機序の解析 Hsp70蛋白の各種変異体を用いた解析により、そのATPaseドメイン内に、従来から報告されてきたATP結合部位とは異なった新たなヌクレオチド結合部位(主にADPと結合)が存在する事を見出し、Hsp70が有するATP/ADP交換がこの2つの異なったヌクレオチド結合部位で調節されていることを明らかにした。さらに、この新しいヌクレオチド結合部位が、試験管でのHsp70のシャペロン機能に影響を与えることから、Hsp70が有するATP/ADP交換反応の役割を解析している。また、この新しいヌクレオチド結合部位の詳細な検討を行うため、ADPとHsp70を用いたX線構造解析を始めている(ADPとHsp70のcocrystalを作成中で現在clear strategy screen中)。 2.20Sプロテアソームと変性蛋白質との相互作用についての解析 20Sプロテアソームがその基質を分解する時、必ずしも制御ユニットによる調節や基質のユビキチン化を必要としないメカニズムが最近注目されつつある。これは20Sプロテアソームが、基質蛋白質の立体構造が部分的に壊れた部分を認識し内部に取り込むことが前提となる。このメカニズムを解明するため、試験管内で分子シヤペロンのモデル基質を用いて20Sプロテアソームと変性蛋白質との相互作用を調べた。その結果、20Sプロテアソームは種々の変性蛋白質を認識して、その凝集体形成を完全に抑制できる事を今回明らかにした。これらの作用は20Sプロテアソームによる直接の基質分解機序を説明する上で極めて興味深いものであり、現在、実際の蛋白分解におけるその役割について解析を進めている。
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Research Products
(1 results)