Research Abstract |
1.大腸の腺腫(隆起型(I型)、平坦型(II型))、sm癌(隆起型(I型)、平坦型(II型))における粘抗原(pS2,HGM, MUC5AC, MUC6,MUC2,SIMA)の発現に関する検討 (1)(腺腫、sm癌)においてpS2の発現頻度は、I型では(3/22,7/33)、II型では(0/10,1/18)、HGMは、I型で(9/22,9/33)、II型で(1/10,1/18)、MUC5ACは、I型で(2/22,7/33)、II型では(0/10,1/18)で胃型の粘液の発現は低い。MUC6は腺腫、sm癌とも発現は認められない。(2)MUC2は、I型で(16/22,22/33)、II型では(7/10,9/18)、SIMAは、I型で(6/22,30/33)、II型では(0/10,10/18)を示した。SIMAは腺腫と比較し癌での発現率が統計的に有意に高い。(3)臨床病理学的には各種粘液抗原の中でSIMAのみがsm浸潤実測値、静脈侵襲等の生物学的悪生度に相関していた。(4)粘液形質発現でみた,I型、II型腫瘍では、腺腫のみ、腺腫とsm癌に共通、sm癌のみの3つの発現パターンあり粘液の形質発現の点からもI型、II型はそれぞれ特徴的な組織発生を示していた。 2.十二指腸腫瘍の粘液抗原の発現における検討 (1)pS2,HGM, SIMA, CD10並びMUC2の発現はde novo癌(3/9,3/9,6/9(67%),1/9,6/9)、腺腫由来(1/12,1/12,8/12(66.7%),2/12,4/12)、ブルンナー腺由来(2/4,4/4(100%),1/4,0/4,1/4)であった。 (2)組織発生学的には、de novo発生並びに十二指腸腺腫の癌化には小腸型、Brunner腺由来には胃型の形質発現の傾向が見られた。
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