2003 Fiscal Year Annual Research Report
LPLの肥満における機能解明-トランスジェニックウサギを用いた研究
Project/Area Number |
14570150
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
森本 正敏 佐賀大学, 医学部, 助教授 (90136482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 照男 佐賀大学, 副学長 (40037396)
范 江霖 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60272192)
北嶋 修司 佐賀大学, 医学部, 助手 (70284643)
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Keywords | 肥満 / リポ蛋白リパーゼ / トランスジェニックウサギ |
Research Abstract |
平成15年度実施結果 平成14年度から引き続き例数を増やして,1)普通食飼育下でのリポ蛋白リパーゼ(LPL)トランスジェニック(Tg)ウサギの脂質代謝特性,2)高脂肪食負荷によるLPL Tgウサギの脂質代謝の変化および肥満に関する検討を実施した。 1)普通食飼育下でのLPL Tgウサギの脂質代謝特性 LPL Tgウサギでは血中のLPL活性は,通常のウサギの3-5倍に上昇しおり,血漿中のトリグリセリド(TG)の値は雌で約1/2,雄で1/5に低下していた。また,雄ではTG値のみならず,総コレステロール(TC)値,高比重リポ蛋白(HDL),遊離脂肪酸(FFA)の値も有意に低い値を示した。 2)高脂肪食負荷によるLPL Tgウサギの脂質代謝の変化および肥満に関する検討 10%高脂肪食の16週週間負荷後の体重増加率に有意差は認められなかったが,LPL Tgウサギで少ない傾向をしめした。解剖して脂肪重量を測定したところ,LPL Tgウサギの雄で対照(Non-Tg)に比べ有意に少なかった。また,TG値はNon-Tg高脂肪食負荷後有意,TC,HDL値は有意に低下した。いっぽう,LPL Tgウサギでは,高脂肪食負荷前と比較して有意な差は認められなかった。さらに,血中のグルコース値およびインスリン値は,高脂肪食負荷16週目においてNon-Tgでそれぞれ有意に増加したが,LPL Tgウサギでは高脂肪食負荷前の値とほぼ同様であった。 以上の結果の一部は,第50回日本実験動物学会(2003),AHA Second Asia Pacific Scientific Forum(2003)で発表した。現在,結果は論文にまとめて投稿中(Diabetologia)である。
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