2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部腫瘍における細胞周期制御因子の異常の解析と新たな予後診断、治療への応用
Project/Area Number |
14570161
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
土橋 洋 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (90231456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 俊彦 北里大学, 薬学部, 助教授 (10236862)
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Keywords | 骨軟部肉腫 / 肺癌 / 細胞周期 / アポトーシス / EGFR / cdk抑制因子 |
Research Abstract |
骨軟部肉腫を他臓器の癌と対比させ、細胞周期制御因子の細胞増殖能、分化、アポトーシスへの関与、機能の多様性を解析し、悪性度を規定する複数因子による、包括的予後診断も行った。 1)神経細胞のアポトーシスの誘導因子として同定したcdk4/cyclin D1は、培養細胞で、その過剰発現が肺癌、骨肉腫等の多くの細胞でアポトーシスを誘導することを明らかにした(Antican.Res.2003).これは実際のヒトの肺癌でも認められ、in vivoでも起こる現象であることを初めて明らかにした(Int.J.Cancer,印刷中、第92回日本病理学会発表). 2)上皮系腫瘍で過剰発現の報告の多い上皮成長因子受容体(EGFR)は、大腸癌で約10%に蛋白質の過剰発現が、8%で遺伝子増幅があることを明らかにした(Mod.Pathol.印刷中)。 3)EGFRは肉腫でも発現が見られ、悪性線維性組織球腫の1%で遺伝子増幅、ポリソミーを伴った過剰発現を認めた。このような特殊症例にはEGFRターゲット療法が適応となりうるが、その下流のMAP kinaseの活性化とは相関しておらず、治療前の各症例における形質の検索も必須と考えた(投稿中). 4)我々がクローニングした転移マーカーのプロテアーゼ(CLN2)は、神経外胚葉系腫瘍(neuroblastoma, Ewing肉腫)で高発現を示した.また骨肉腫でも高い発現を示す症例があり、それらは予後不良であった. 4)浸潤能規定因子の候補としてクローニングAMF (autocrine motility factor)に関する解析では、腫瘍の組織系によらず、AMF高発現群では肺転移の頻度が高く、予後不良であった.また、肉腫においてはAMFはAkt-Caspase 9の系でアポトーシスを抑制しているというデータを得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Katayama, K., et al.: "Cdk4/cyclin D1 kinase, a universal and critical regulator of apoptosis."Anticancer Research. 23(1A). 235-244 (2003)
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[Publications] Dobashi, Y., et al.: "Perspectives for Cancer Therapy : "Cell Cycle Blockers and Perturbators""Current Medicinal Chemistry. 10(5). 2549-2558 (2003)
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[Publications] Dobashi, Y., et al.: "Overexpression of Cdk4/Cyclin D1, a possible mediator of apoptosis and an indicator of prognosis in human primary lung Carcinomas."International Journal of Cancer. (In press).
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[Publications] Ooi, A., et al.: "Protein overexpression and gene amplification of HER-2 and EGFR in colorectal cancers. An immunohistochemical and fluorescent in situ hybridization study."Modern Pathology. (In press).