2003 Fiscal Year Annual Research Report
CD30-NF-κBシグナル伝達系によるHodgkinリンパ腫分子病態の解析
Project/Area Number |
14570162
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Research Institution | KITASATO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
堀江 良一 北里大学, 医学部, 講師 (80229228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
東原 正明 北里大学, 医学部, 教授 (80165084)
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Keywords | Hodgkinリンパ腫 / Hodgkin、Reed-Sternberg細胞 / NF-κB / CD30 promoter / JunB |
Research Abstract |
本研究は14年度にCD30とNF-κBというHodgkin and Reed-Sternberg(H-RS)細胞に特徴的分子がCD30過剰発現-NF-κBの恒常的活性化というループを介してHodgkinリンパ腫の病態に本質的に関わっている事を示すと同時に、CD30自己活性化の下流でNF-κB恒常的活性化に関わるシグナル伝達分子群の分子機構をsignalosome形成という新しい概念により示した。 胚中心B細胞がH-RS細胞へトランスフォームする過程でCD30の過剰発現が誘導されるが、15年度は、その分子機構を、CD30染色体遺伝子プロモーターの転写制御の観点から明らかにすることを目標とした。これを通して、現在ほとんど解明が進んでいない胚中心B細胞がH-RS細胞にトランスフォームする際の分子機構、すなわちHodgkinリンパ腫発症機構を理解するための鍵が得られると考えられた。 CD30プロモーターの転写活性はコアプロモーター内にあるSp1サイトが誘導的に、さらにマイクロサテライト領域がCCAT配列の長さに比例して抑制的に働くことが報告された。マイクロサテライト領域の長さは多様であり、その短縮による抑制解除がCD30過剰発現の原因である可能性が想定されていた。しかしながらCD30を過剰発現しているH-RS細胞株では、マイクロサテライト領域を調べてみるとその短縮は認められず、にもかかわらず抑制解除が認められた。このことは抑制解除がマイクロサテライトの短縮という構造変化によるのではなく、転写因子レベルで誘導されていることを示唆した。これに関与する転写因子の一つとして、我々はJunBを同定した。すなわちJunBはH-RS細胞に恒常的に誘導され、CD30過剰発現に関わる分子の一つであることが明かとなった。このことは、これまでほとんど解明されていないH-RS細胞でのCD30過剰発現に関わる分子を始めて具体的に同定すると同時に、JunBの発現機構の解明は胚中心B細胞がH-RS細胞にトランスフォームする際の分子機構の理解を確実に一歩進めるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Horie R, Watanabe M, Ishida T et al.: "The NPM-ALK oncoprotein abrogates CD3O signaling and constitutive NF-κB activation in anaplastic large cell lymphoma."Cancer Cell. (in press). (2004)
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[Publications] Horie R, Watanabe T: "The biological basis of Hodgkin's lymphpoma."Drug News Perspect.. 16. 649-656 (2003)
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[Publications] Watanabe M, Ogawa Y, Ito K, et al.: "AP-1 mediated relief of repressive activity of the CD30 promoter microsatellite in Hodgkin and Reed-Sternberg cells"Am J Pathol. 163. 633-641 (2003)
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[Publications] Horie R, Higashihara M, Watanabe T: "The biology of Hodgkin's lymphpoma and CD30 signal transduction."Int J Hematol. 77. 37-47 (2003)
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[Publications] Horie R, Watanabe T, Ito K et al.: "Cytoplasmic aggregation of TRAF2 and TRAF5 proteins in Hodgkin's and Reed-Sternberg cells."Am J Pathol. 160. 1647-1654 (2002)
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[Publications] Horie R, Ito K, Morisita Y et al.: "Ligand independent signaling by overexpressed CD30 drives NF-kB activation in Hodgkin and Reed-Sternberg cells."Oncogene. 21. 2493-2503 (2002)