2002 Fiscal Year Annual Research Report
組織マイクロアレイを用いた癌における遺伝子発現の研究
Project/Area Number |
14570167
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
向井 清 東京医科大学, 医学部, 教授 (20190837)
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Keywords | 組織マイクロアレイ / 免疫組織化学 / パラフィンブロック / 抗原 / RNA |
Research Abstract |
本年度は組織マイクロアレイブロックの作製を効率的に行うために、各種の組織を用いてブロック作成の習熟に務めた。組織マイクロアレイブロック作製機器についている説明書のみでは、きれいなブロックや組織切片が得られないことが多く、試行錯誤を繰り返した。マイクロアレイ用の組織の採取、新たなブロックのパラフィンとの融合、薄切、薄切された切片のプレパラートへの添付などいろいろと困難な問題が生じたが、ほぼ解決された。また、心筋、脳など通常の組織切片作製時にも割れたりひび割れしやすい組織はマイクロアレイにした場合も同様の問題が生じやすく、このような組織の扱いが今後の問題と考えられた。このようにしてマイクロアレイブロックの作製がうまくできるようになったため、まず、全身の正常組織をマイクロアレイとして、各種の免疫染色を行っている。これまでに、当研究室で行っている免疫染色を100種類ほど施行した。この結果は現在集計中である。この方法により各種の抗原の全身諸臓器における発現パターンを簡単に検討することが可能になった。同じブロックを使えば各種免疫染色ごとに設定していた陽性コントロールを1ブロックでまかなうことができ、染色の標準化に役立つと考えられた。現在各種腫瘍組織のマイクロアレイを作製するために、腫瘍組織のパラフィンブロックを収集している。来年度はこれらを用いて本格的に組織ミクロアレイによる各種癌関連抗原の発現やそのパターンを検討していく予定である。
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