2003 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病冠状動脈破綻機構、ならびに免疫グロブリン治療修飾に関する病理組織学的検討
Project/Area Number |
14570168
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高橋 啓 東邦大学, 医学部, 助教授 (80216712)
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Keywords | 川崎病 / 冠状動脈炎 / 冠状動脈瘤 / 免疫グロブリン / Chlamydia pneumoniae / 免疫組織化学 / 系統的血管炎 / 形質細胞 |
Research Abstract |
病原因子の解析 1.Chlamydia pneumoniaeの検討 a.急性期川崎病剖検例の冠状動脈薄切切片を対象とした。 b.Chlamydia pneumoniaeに対するmonoclonal antibodyを用いて免疫組織化学的に検出を試みた。 2.ウイルス発現の検討 a.急性期川崎病剖検例の冠状動脈薄切切片を対象とした。 b.Enterovirus, Cytomegalovirus, Hepatitis B virus, Varicella-zoster virusに対するprobeを用いISH法で検出を試みた。 【結果】急性期川崎病動脈病変内に抗Chlamydia pneumoniae抗体に陽性を示す細胞は見出せなかった。さらに、ISH法においても各種ウイルス陽性像を見出すことは出来なかった。EB virus関連血管炎症例を参考としたが、本例では血管病変やリンパ節のリンパ球に陽性像を認めた。川崎病血管病変から病原因子を積極的に示唆しうる所見を得ることは困難であった。 動脈病変局所における免疫グロブリン治療修飾の検討 1.急性期川崎病剖検例の冠状動脈薄切切片を対照とした。 2.CD3、CD20、CD68、免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)に対する抗体を用い病変内浸潤細胞を同定し、各陽性細胞、特に形質細胞の出現程度を経静脈的免疫グロブリン投与、非投与症例とで免疫組織化学的に比較検討した。 【結果】免疫グロブリン投与症例で形質細胞浸潤程度は軽度となる傾向を示したが、IgG、IgA、IgM陽性細胞を比較しても明確な差異を見出せなかった。免疫グロブリン投与剖検例は数が少なく、今後継続して検討を進める必要があると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高橋 啓: "小児血管炎の病理"病理と臨床. 21. 926-927 (2003)
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[Publications] 高橋 啓, 大原関利章, 他: "川崎病既往は粥状動脈硬化症の危険因子となりえるか(病理の立場より)"小児内科. 35. 1435-1346 (2003)
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[Publications] 高橋 啓, 大原関利章, 他: "川崎病の心血管にはどのような病理組織学的変化がみられるか"小児内科. 35. 1497-1499 (2003)
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[Publications] 高橋 啓, 大原関利章, 他: "カンジダ菌体抽出物によるマウス系統的血管炎誘発モデルと川崎病"脈管学. 43. 673-678 (2003)
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[Publications] K.Takahashi, et al.: "Histopathological features of murine systemic vasculitis caused by Candida albicans extract-an animal model of Kawasaki Disease"Inflammation Research. 53. 72-77 (2004)
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[Publications] 高橋 啓, 直江史郎: "分子誘導型モデル動物-Candida albicans菌体成分による動脈炎誘発モデル"医学のあゆみ. 206. 147-149 (2003)