2002 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧性脳内出血の発症における微小動脈瘤と動脈解離の関与に関する研究
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14570173
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小島 英明 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (40234760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 弘美 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員
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Keywords | 微小動脈瘤 / dolichoectatic aneurysm / フィブリン沈着 / 浅側頭動脈 / 急性解離 / 三次元立体再構築 |
Research Abstract |
「高血圧性脳内出血の発症における微小動脈瘤と動脈解離の関与に関する研究」に付き、本年度は以下の結果を得た。 (1)微小動脈瘤は存在するか?に関しては存在することを確認し得た。 2例の微小動脈瘤剖検例を群馬大学医学部保険学科・鈴木慶二教授のご好意で検索する機会を得て、直径約150μmの脳実質内細動脈本幹に最大直径が倍する球状の微小動脈瘤の多発を認めた未破裂の微小動脈瘤であるが、周囲には陳旧性に小出血を繰り返したと推定できるヘモジデリンの沈着があり血管破綻・出血源たりうることを確認できた。2例とも微小動脈瘤の血管壁の平滑筋と内弾性板は消失しており線維化により代償されていた。血管内皮細胞も欠落したまま、でフィブリンの血管壁への直接沈着を認めた。 以上の所見は、我々のいう動脈解離タイプ3:椎骨脳底動脈領域のdolichoectatic aneurysmと区別がつかなかった。 (2)急性解離の最中ないしは血管破裂の直前に、微小動脈瘤が形成されるか? 右椎骨動脈の急性解離の患者さんで両側浅側頭動脈にも急性解離を合併した症例があり、体表から容易に観察ができ、血管破裂寸前で血管切除・端々吻合された。この検体を用い15μmの連続切片を作成、弾性線維染色を施して三次元立体再構築した結果、血管壁の中の血腫があっても、急性解離中ないしは血管破裂直前であっても、微小動脈瘤を形成しないことがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小島英明: "いわゆる高血圧性脳内出血の発症原因のなぞ"日本醫事新報. 4066. 33-36 (2002)
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[Publications] 小島英明, 江口弘美, 小島哲, 飯塚俊幸, 水谷徹: "血管破裂直前の状態で外科切除できた浅側頭動脈の解離"臨床病理. 50(補冊). 288 (2002)
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[Publications] 小島英明, 丸島愛樹: "高血圧性脳内出血:出血源としての動脈解離の可能性"分子脳血管病. 2(1). 30-35 (2003)
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[Publications] 小島英明(分担執筆): "コアテキスト1、人体の構造と機能(第4章、神経性調節と刺激の受容)"下正宗、前田環、村田哲也、森谷卓也編 医学書院. 352 (2003)