2002 Fiscal Year Annual Research Report
血流依存性動脈リモデリングにおける内弾性板ギャップは血管新生の性格を持つ
Project/Area Number |
14570176
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
増田 弘毅 秋田大学, 医学部, 教授 (60103462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南條 博 秋田大学, 医学部, 助手 (70250892)
川村 公一 秋田大学, 医学部, 助教授 (00091801)
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Keywords | 血流 / 動脈 / リモデリング / 血管新生 / 内弾性板 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 家兎 |
Research Abstract |
平成13年度までに血流増大による動脈の拡張性のリモデリングのはじまりは内弾性板ギャップの出現であり、拡張の進展はギャップの拡張であり、内皮細胞が増殖が鍵であることがわかっていた。平成14年度の新しい知見は血流増大による動脈の拡張性のリモデリングの過程で生じる内弾性板ギャップの発生直前に内皮細胞と中膜平滑筋細胞が接触することを発見し内弾性板ギャップの発生メカニズムの解明の端緒を明らかにできたことである。内皮細胞単独の増殖により内弾性板ギャップが発生すると考えると、力学的な困難があった。しかし内皮細胞が平滑筋細胞と接触しているくとが明らかになると平滑筋細胞によるストレスが内弾性板のリモデリングに関与していることになり問題は解決する可能性が示唆された。さらに血流増大ドよる動脈の拡張性のリモデリングにおいて内皮細胞の著しい活性作が生じMMP2, MMP9, MT-MMP, TGF-beta等が上昇していることを明らかにし、このような内皮細胞の変化が毛細血管における血管新生と極めて類似した活性化であることを示した。またリモデリングした動脈の血流を減少させると中膜の平滑筋細胞が増殖遊走し内膜肥厚が生じることを明らかにし、この血流変化による動脈のリモデリングが動脈硬化症と密接に関連していることをあきらかにした。また内皮細胞の増殖のメカニズムをin situの動物実験で追求していく過程で、内皮細胞そのものが骨髄細胞から大きく依存していることがわかってきた。さらに血流増大した動脈において内皮細胞の増殖がin situの幹細胞を介して生じている可能性が示唆された。また骨格筋における毛細血管新生が血流増大により生じ、内皮細胞の芽がそのはじまりであることを証明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sho M, Nanjo H, Masuda H, et al.: "Subnormal shear stress-induced intimal thickening requires medial smooth muscle cell prdiferation and migration"Experimental and Molecular Pathology. 72. 150-160 (2002)
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[Publications] Sho E, Nanjo H, Masuda H, et al.: "Arterial enlargement in response to high flow requires early expression of matrix metalloproteinases to degrade extracellular matrix"Experimental and Molecular Pathology. 73. 142-153 (2002)
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[Publications] Xu C, Masuda H, et al.: "Expression of TGF-β_1, and β_2 but not apoptosis factors relates to flow-induced aortic enlargement"BMC Cardiovascular Disorders (Internet Journal only) http://www.biomedcentral.com/1471-2261/2/11. 2:11. (2002)
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[Publications] Ebina T, Kawamura K, Nanjo H, Masuda H, et al.: "Physiological angiogenesis in electrically stimulated skeletal muscle in rabbits Characterization of capillary sprouting by ultrastructural three-dimensional reconstruction study"Pathology International. 52. 26-36 (2002)
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[Publications] Masuda H, Kawamura K, Nanjo H, et al.: "Ultrastructure of endothelial cells under flow alteration"Microscopy Research and Technique. 60. 2-12 (2003)