2002 Fiscal Year Annual Research Report
増殖・アポトーシス・自然免疫に関与するNod1遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
14570177
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
堀江 泰夫 秋田大学, 医学部, 助手 (30282164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 純夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20138225)
鈴木 聡 秋田大学, 医学部, 教授 (10311565)
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Keywords | Nod 1 / CARD4 / ノックアウトマウス / 増殖 / アポトーシス / 自然免疫 / 感染 |
Research Abstract |
1 腸管を含む各種臓器の組織学的検索ではNod1欠損マウスと野生型マウスの間で差はみられなかった。 2 Nod1欠損ES細胞のアポトーシス感受性を確誌するために、Tetracycline-offシステムで制御されるNod1遺伝子再導入Nod1欠損ES細胞を現在作成中である。 3 Nod1欠損マウスの細菌投与後の易感染性を検証するために、黄色ブドウ球菌を経静脈的にNod1欠損マウスと野生型マウスに投与した。投与25日目でNod1欠損マウスの生存率が47%、野生型マウスは83%であり、野生型マウスの生存率が有意に高かった。この結果はNod1欠損マウスの細菌に対する易感染性を示唆している。また、Nod1欠損マウスと野生型マウスの腸内細菌叢について比較したところ、糞便1gに含まれる好気性菌数、嫌気性菌数には有意な差はみられなかったが、Nod1欠損マウスの総腸内細菌数は野生型マウスに比べ約100倍と有意に多く、Nod1が腸内細菌叢の制御に関与する可能性が示唆された。 4 上記3で得られたNod1欠損マウスにおける易感染性や腸内細菌数の増加は、Nod1欠損マウスの免疫担当細胞の異常に由来すると考えられる。そこで、Nod1欠損マウスと野生型マウスにおいて、胸腺・脾臓・リンパ節におけるリンパ球数、T細胞/B細胞比率、Tリンパ球サブセットを比較し、さらにTリンパ球の各種の刺激に対する増殖能、IL2産生能やB細胞の各種の刺激に対する増殖能、血清IgGサブクラスの濃度を測定したが、いずれにも明らかな差はみられていない。今後はマクロファージなど自然免疫に関与する細胞における差について検討したいと考えている。
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