2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規転写因子CIZのノックアウトマウスの表現形の解析
Project/Area Number |
14570179
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
半下石 明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20344450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 善伸 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30334379)
黒川 峰夫 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80312320)
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60212049)
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Keywords | CIZ / ノックアウトマウス / アポトーシス / 生殖細胞 |
Research Abstract |
CIZノックアウトマウスにおいて、病理所見上、男性不妊症の一つであるGermial-cell aplasia with focal spermatogenesisに類似した精巣の変性が認められていたため、以下の解析を行った。 精巣内におけるCIZの発現部位を知るために,ノックアウトベクターに組み込んだβガラクトシダーゼを用いて染色を行った。各分化段階の生殖細胞において、LacZの染色が認められたが、セルトリ細胞やその他の細胞では、染色はほとんど認められなかった。初代培養にて生殖細胞とセルトリ細胞を分離し、それぞれのノーザンブロットを行った結果でも、CIZの発現は生殖細胞に特異的であり、セルトリ細胞での発現は認めなかった。これらのことから、CIZは、生殖細胞に発現しており、セルトリ細胞、ライデイッヒ細胞での発現は認められないことが判明した。 次に、TUNEL法を用いて精巣におけるアポトーシスを調べた。CIZのノックアウトマウスの精巣では、アポトーシスを起こしている生殖細胞が増加していた。アポトーシスを起こしている細胞は、多くが一次精母細胞で、一部は二次精母細胞であった。精巣内でアポトーシスを起こしている生殖細胞が増加している原因を探るため、まず、セルトリ細胞の精子貪食能を調べた。しかし、CIZのノックアウトマウス由来のセルトリ細胞と野生型のセルトリ細胞で貪食能に差を認めなかった。また、生殖細胞の初代培養でのアポトーシスをフォスファチジルセリンの膜局在やアシル酸除去やploidy分布により調べたが、初代培養の系では生殖細胞のアポトーシスの亢進は認めない結果に終わった。
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