2002 Fiscal Year Annual Research Report
培養モデル系を用いたミトコンドリア機能障害による神経細胞変性・死機構の解明
Project/Area Number |
14570186
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
細川 昌則 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 部長 (00127135)
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Keywords | 高酸化的ストレス / 細胞培養 / 活性酸素 / ミトコンドリア / 抗酸化酵素 / モデルマウス / 神経細胞 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
本年度は、1.Kohsaka, S. et al.によりラット脳組織の神経細胞の単離、培養に用いられた方法を改変し、高酸化的ストレス状態を示すSAMP8系統マウスと対照のSAMR1系統マウスより神経細胞を単離し、培養する方法の開発に用いた。生後24時間以内の新生仔マウスの脳組織からはグリア細胞を、胎生17日齢マウスの脳組織からは神経細胞を単離、培養することができた。 2.同様に高酸化的ストレス状態を示すSAMP11系統マウス、および対照のSAMR1系統マウス新生仔皮膚由来線維芽細胞の初代培養系を用いて、活性酸素の産生に対応した、ミトコンドリア膜電位の変化と、抗酸化酵素活性ならびにその誘導の変化を検討した。SAMP11およびSAMR1由来細胞とも培養5日で活性酸素量が増加するが、SAMR1由来細胞では培養7日以降減少するのに対してSAMP11由来細胞では減少しない。培養7日以降SAMP11由来細胞では低電位ミトコンドリアが増加し、高電位ミトコンドリアの全ミトコンドリアに占める割合は減少した。カタラーゼ活性は両系統細胞間で差が無く、グルタチオンペルオキシダーゼ活性はP11由来細胞で高かった。カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ-1,3,-4,SOD-1,-2mRNAの発現の経時的変化には両系統細胞間で差が認められず、両系統の培養線維芽細胞間の活性酸素量の経時変化の違いは、抗酸化酵素の発現誘導の差違が原因とは考えられないことを示した。
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