2002 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモン標的組織のアポトーシスにおけるミトコンドリアを介する経路に関する研究
Project/Area Number |
14570207
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10319858)
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20227408)
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Keywords | アポトーシス / エストロゲン / 子宮 / ミトコンドリア / Bcl-2ファミリー / チトクロームC / VDAC / caspase |
Research Abstract |
エストロゲンで刺激されている子宮では、エストロゲン刺激がなくなると上皮にのみにアポトーシスが起こるが、その細胞内機構は解明されていない。我々は、エストロゲン刺激中止後のマウス子宮上皮のアポトーシスの細胞内機構について研究し以下の点を明らかにした。 1)ミトコンドリア外膜に存在するvoltage dependent anion channel (VDAC)には、VDAC1,2,3の3つのisoformがあるが、子宮の上皮のVDAC1,2,3 mRNA及び蛋白は上皮のアポトーシスに相関して増加する。 2)ミトコンドリアからのcytochrome cの細胞質への放出、caspase-3の活性化(caspase-3は上皮にのみ認められた)が上皮のアポトーシスに相関して増加する。 3)上皮のBax/Bcl-2,Bax/Bcl-X (mRNA及び蛋白)比が上皮のアポトーシスに相関して増加する。最近の研究では、ミトコンドリアから放出されたcytochrome cは、caspase-9を活性化し、次にcaspase-9はcaspase-3を活性化することによりアポトーシスを誘導する事が明らかにされている。更にVDACはcytochrome cの放出の通路であり、cytochrome cの放出は、Bcl-2 family蛋白であるBaxにより促進され、BCl-2やBcl-Xにより抑制される事が報告されている。 従って、我々の研究は、エストロゲン刺激除去後の上皮のアポトーシスにおいても、Bcl-2 family蛋白により制御されるミトコンドリア経由のアポトーシスの情報伝達機構が作動している事を示唆する。上皮のアポトーシスに相関したVDAC量の増加は、上皮細胞のアポトーシスの感受性の増加に関与している可能性があると推測される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Takagi-Morishita, N.Terada et al.: "Mouse uterine epithelial apoptosis is associated with expression of mitochondrial voltage-dependent anion channels, release of cytochrome C from mitochondria, and the ratio of bax to bcl-2 or bcl-X"Biology of Reproduction. (in press). (2003)