2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患に於ける蛋白質脱イミノ化の分子病理学的解析
Project/Area Number |
14570210
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石神 昭人 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 研究員 (50270658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 直紀 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 副所長 (00115940)
半田 節子 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 助手 (30360697)
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Keywords | 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / ペプチジルアルギニンデイミナーゼ / シトルリン化蛋白質 / ミエリン塩基性蛋白質 / アストロサイト / 老化 / プロテオーム |
Research Abstract |
ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)は、蛋白質中の塩基性アミノ酸であるアルギニンを中性アミノ酸であるシトルリンに変換する酵素である。蛋白質シトルリン化反応は、正電荷を失うことから、蛋白質の高次構造に著しい変化をもたらす。生体内には5種類のアイソフォーム(PAD1,2,3,4/5,6)が存在し、活性化にカルシウムイオンを必要とする。特に、PAD2は脳全体に広く分布し、他型PADは検出されない。本課題では、神経変性疾患に於けるシトルリン化蛋白質の生成、PAD活性化機構を解明し疾患発症に於けるPADの関与を明らかにする。今年度、以下に示す研究成果を得ている。 (1)アルツハイマー病(AD)患者脳の海馬領域では、シトルリン化蛋白質が多く出現し、病状の進行程度に応じてその量が増加することを明らかにした。細胞の形態や蛍光二重染色により反応性アストロサイトが陽性であることがわかった。 (2)シトルリン化蛋白質分子の同定のために二次元電気泳動法、質量分析計を用いたプロテオーム解析を行った。その結果、ミエリン塩基性蛋白質(MBP)、グリア繊維酸性蛋白質(GFAP)、ビメンチンがアルツハイマー病脳でシトルリン化されていることを同定した。 (3)中枢神経系でのPADの機能を明らかにするため、PAD2遺伝子を破壊したノックアウトマウスを作製している。現在、PAD2の第1エクソンを欠失させた遺伝子組換え体を作製し、ES細胞に導入して、陽性クローンのスクリーニングを行っている。 今年度、アルツハイマー病患者脳でのシトルリン化蛋白質の動態やシトルリン化分子の同定を行い、期待通りの結果を得ることができた。アルツハイマー病発症におけるシトルリン化蛋白質の関与は、明白である。
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Research Products
(6 results)