2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570214
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大橋 眞 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40128369)
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Keywords | 好酸球 / 走化性 / サイトカイン / 日本住血吸虫 / Mesocestoides corti / マウス |
Research Abstract |
ECF-Lは、新しい好酸球遊走性因子として最近当研究室で遺伝子クローニングに成功したサイトカインである。このサイトカインは日本住血吸虫感染マウスの肝臓内に虫卵結節形成期に産生される好酸球遊走性因子として研究が始められたが、好酸球増多を引き起こすMesocestoides cortiなどの寄生虫感染でもその産生が増加することが明らかになった。今回の研究は、このサイトカインの役割の解明に必要なサイトカインをM. corti感染マウスより大量精製法の検討し、これを使って抗体の作成及び抗原提示細胞に対する検討をおこなった。 M.corti感染、マウスの肝臓、脾臓、腹腔マクロファージ、腹腔浸出液などから精製することを試みた。その結果、腹腔マクロファージの培養液をDE52陰イオン交換クロマトとS3000GWゲルクロマトで高純度に精製できることが解った。抗ECF-L抗体を用いてM.corti感染マウスの肝臓の虫体周囲の結節について免疫染色をおこなった。その結果、虫体周囲の炎症精細胞が染色された。また、脾細胞をM.corti虫体抽出液と培養するとECF-L産生が抗原依存的に誘導された。さらに、抗原提示細胞として重要な樹状細胞をECF-Lと培養するとCD40発現が増強された。CD40発現がECF-Lに含まれる可能性のあるLPSの混在でないことを示すために、ECF-Lの熱処理をおこなった。ECF-Lの遊走活性は70℃以上の熱処理で完全に失活するのに対して、CD40発現は約70%の失活が見られた。ECF-Lの活性化作用はLPSである可能性は低いものの、活性に必要なエピトープは両者で異なっている可能性が示された。
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