2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570214
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大橋 眞 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40128369)
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Keywords | 好酸球 / サイトカイン / 走化性因子 / 住血吸虫 / 虫卵 / 結節 |
Research Abstract |
今回の研究では、寄生虫感染における好酸球遊走性サイトカインの役割を明らかにするために、既に同サイトカインの産生が明らかになっている日本住血吸虫とメコン住血吸虫をモデルして、解析を行った。虫卵結節の培養上清の遊走活性は、感染後6Wでは日本住血吸虫の方が好酸球遊走活性、好中球遊走活性ともに強かったが、感染経過とともに急激に減少した。メコ住血吸虫においても感染経過に伴って好酸球遊走活性、好中球遊走活性ともに減少するが、1週以降再び増加した。好酸球遊走性サイトカインであるECF-Lに対する抗ECF-L抗体を用いてウエスタンブロットで、各培養上清を比較すると概ね好酸球遊走活と一致した。これらのことら、日本住血吸虫の急性期にみられる好酸球を中心とした炎症性病変は炎症局所で産生される卵由来の好酸球遊走因子と、白血球由来の好酸球遊走性サイトカインが寄与していることが示された。一方、メコン住血吸虫感染の虫卵結節は空胞化が起こり、感染後12週以降には空胞少なくなる病理変化が起こり、この現象と結節培養上清の好酸球および好中球遊走性サイトカンの増加との関連が示唆された。また、好酸球をキチナーゼで処理すると、好酸球の虫卵可溶抗原に対する好酸球遊走活性は増加した。同処理により好酸球遊走性サイトカインや、同サイカインの活性部位の合成ペプチドに対する好酸球遊走活性も増加した。これらの結果より、好球遊走性サイトカインECF-Lは、自らが好酸球の集積に関わる一方で、寄生虫由来の遊走因子に対する遊走活性の増強にも寄与している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)