2002 Fiscal Year Annual Research Report
旋毛虫感染防御反応における抗原提示細胞の機能分化とIL-3
Project/Area Number |
14570216
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
是永 正敬 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00128274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 義久 高知医科大学, 医学部, 教授 (10037385)
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Keywords | 旋毛虫 / IL-3 / Mac1陽性細胞 / Th2 / 感染防御 / マスト細胞 / 小腸粘膜 |
Research Abstract |
私たちは、rIL-3処理したマウスに旋毛虫を感染させると、感染防御反応およびTh2応答が促進されることを明らかにしてきた。今回の研究では、IL-3が第一段階でどの細胞群に作用して、これらの反応が誘導されるのか調べた。 rIL-3処理したマウスの脾細胞、腹腔細胞を正常マウスに移入し、翌日、旋毛虫筋肉幼虫400隻を経口感染した。感染31日目に全身の横紋筋に寄生する幼虫数を調べた。その結果、脾細胞移入群で有意の低下が観察された。移入脾細胞の量依存的に回収される幼虫数が減少した。対照群と有意の差がみられたのは4x10^7 cells移入群であった。次に、成虫の回収数を調べた。4x10^7脾細胞を移入した群では回収数が低い傾向がみられ、7日目では有意に低かった。感染7、12日目の上部小腸をカルノア固定包埋後、切片をアルシアンブルー、サフラニンOで染色した。小腸粘膜マスト細胞は脾細胞移入群で有意の増加が観察された。続いて、どの細胞群が作用しているのか調べた。rIL-3処理したマウスの脾細胞をプラスチックシャーレ付着細胞と非付着細胞に分画し、次に非付着細胞をslgの有無によりパンニング法でT細胞を得た。1x10^7付着細胞移入群で幼虫数は有意の差がみられた。1x10^7 T細胞移入群では差はなかった。次に、rIL-3処理したマウス脾細胞をMac1,B220単クローン抗体と反応させ、磁性ビーズ法により分画し、各細胞1x10^7を移入した。感染7日目の小腸内成虫数を調べたところ、Mac1陽性1x10^7細胞移入群で成虫数は有意に差があった。 以上の結果から、rIL-3処理したマウス脾細胞を正常マウスに移入し、旋毛虫を感染させると、防御反応が促進されることが分かった。この実験系において、IL-3がプラスチック付着性Mac1陽性細胞に作用し、その細胞群を介して防御反応促進に関与していることが示唆された。
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