2002 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア感染におけるオステオポンチンの発現とその病態的意義に関する研究
Project/Area Number |
14570225
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
前野 芳正 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70131191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 潤 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70319268)
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Keywords | オステオポンチン / ネズミマラリア / IFN-gamma / マクロファージ / 細胞性免疫 / 一酸化窒素 / ノックアウトマウス / RT-PCR |
Research Abstract |
近年、細胞外マトリックスタンパク質の一つであるオステオポンチン(OPN)が種々の免疫現象に関与することが報告されるようになり、感染免疫におけるOPNの関連について研究されるようになってきた。しかし、マラリア感染におけるOPNの関与については報告がない。そこでマラリア感染におけるOPNの発現とその病態的意義について、C57BL/6(OPN+/+;wild)およびOPN-/-(C57BL/6バックグランド、F6;KO)マウスにP.chabaudiを感染させ検討した。P.chabaudi感染後のparasitemiaを比較すると、Wildマウスでは一峰性のカーブを示し感染から回復した。一方KOマウスでは低下することなく上昇をし、マウスは8日前後で全て死亡した。P.chabaudi感染によるwildマウスにおけるオステオポンチンの発現は、感染後48時間後から認められた。この時のKOマウス脾細胞中のサイトカインmRNAプロファイルならびに血清中のサイトカイン量をwildマウスと比較すると、Th1関連サイトカインおよびMCP-1、更に血清中一酸化窒素濃度の有意な低下が認められた。殊にKOマウスの感染初期におけるIFN-gammaの産生は全く認められなかった。また、他のサイトカインも低下傾向にあった。以上より、OPNはマラリア感染においても産生され、かつP.chabaudi感染に対する防御免疫に関与していることが示唆された。また、ヒト感染例での検討を実施する準備として、血液を濾紙に採取し、そこからサイトカイン等のmRNAを検出する方法を開発した。これは、ヒト感染例の試料採取場所によっては患者血清を採取し、解析を行うことが不可能な場合が想定される。特にマラリア流行地では電源事情や検体の保存や輸送に困難な所がそれに該当する。そのために本方法を開発した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Maeno Y, Nakazawa S, Nagashima S, Sasaki J, HIgo K-M, Taniguchi K: "Utility of the dried blood on filter paper as a source of cytokine mRNA for the analysis of immunoreactions in Plasmodium yoelii infection"Acta Tropica. (印刷中). (2003)