2003 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア感染におけるオステオポンチンの発現とその病態的意義に関する研究
Project/Area Number |
14570225
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
前野 芳正 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70131191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 潤 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70319268)
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Keywords | オステオポンチン / 熱帯熱マラリア / RT-PCR / IL-12 / IFN-gamma / マクロファージ / 細胞性免疫 / ベトナム |
Research Abstract |
我々は、細胞外マトリックスタンパク質の一つであるオステオポンチン(OPN)とマラリア感染との関連について検討を行っている。これまでにOPN wild(WT)マウスとOPN KOマウスを用いP. chabaudiの感染経過を比較した。WTマウスは感染から回復したが、KOマウスでは感染率が上昇し続け、死亡した。この時のKOマウスとWTマウスでの各種サイトカインを比較すると、KOマウスでTh1関連サイトカインの有意な低下が認められた。そこで今回、ヒトのマラリア感染例においてもマウスでの結果と同様に、OPNが陽性であるとTh1系のサイトカインのレベルが高いのか検討した。検討対象はベトナムで熱帯熱マラリアと診断された症例の血液161検体とした。血液サンプルは指頭血を濾紙に採取、乾燥後室温で保存した。各種サイトカインとOPNの測定は、濾紙採取乾燥血から抽出した総RNAを用いたRT-PCRによった。OPN mRNAは、161例中134例(83.2%)に認められた。OPN mRNAの発現とサイトカインとの関連において、OPN(+)症例のIL-12 p40およびIFN-gamma mRNAの発現量はOPN(-)症例のそれらに比べ有意に高かった。一方、IL-4およびTGF-beta mRNA発現量はOPN(-)症例でより高かった。以上の結果から、OPNは熱帯熱マラリア感染においても細胞性免疫に関与していることが推測された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Maeno Y, Nakazawa S, Nagashima S, Sasaki J, Higo K-M, Taniguchi K: "Utility of the dried blood on filter paper as a source of cytokine mRNA for the analysis of immunoreactions in Plasmodium yoelii infection"Acta Tropica. 87(2). 295-300 (2003)