2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規なイントロンを持つCandida albicansの発見とその薬剤感受性
Project/Area Number |
14570231
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三上 襄 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (40092100)
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Keywords | Candida albicans / イントロン / 薬剤感受性 / フルシトシン / C.dubliniensis |
Research Abstract |
前年度に引き続き、タイ国のエイズ患者から分離した100株のC.albicans株についてPCR法でその遺伝子型を決定し(genotype A、B、C、D, E)、それぞれの分離地域および疾患との関係を調べた。その結果、タイ国の遺伝子型はやはりA型多く、その分離割合いは、日本と殆ど同じであった。また、100株中、2株のC.dubliniensisが発見されたが、genotype E型は観察できなかった。 分離された菌株の薬剤感受性を調べ、遺伝子型との関連を解明した結果,いずれのC.dubliniensis株においても、type 1型のイントロンが存在することが明らかになった。そのイントロンに挿入された338-bpの遺伝子について、その機能を検討した結果、その遺伝子の導入によって薬剤感受性が変わる傾向が観察され、特にピリミヂン系の抗真菌剤であるフルシトシンに対する薬剤感受性が高まることが明かとなった。この現象は同じイントロンの部分配列を持つ、genotype E型においても確認された。分離されたC.dubliniensisについては、多くが薬剤耐性であり、特にアゾール系の抗真菌剤であるフルコナゾール(fluconazole)に対して耐性であることから、耐性機構の解明を進めた。 その結果、耐性の数株ではエルゴステロールの合成遺伝子の特異的な部位の塩基変異が観察されて、その耐性の一部に関与することが明らかになった。既にC.albicansでは、ゲノム解析が終了していることから、それらの情報を基に、マイクロアレイの作製を進めた。その結果、これまでに、機能的な重要と考えられる約500の遺伝子を載せたアレイを作製することができた。 現在、作製したマイクロアレイを用いて、タイ国および日本で分離されたフルコナゾール耐性C.albicansおよびC.dubliniensisについては、耐性機構の解明研究を進めている。また、同時に、細胞壁の合成阻害剤を用いての遺伝子の発現パターンの解析を進めており、細胞壁に特異的な活性を示す物質の探索系や耐性菌に有効な薬剤の開発を目的に、新しい抗真菌剤のシード化合物の探索研究を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Myoken Y, Mikamu Y et al.: "Breakthrough fungemia caused by azole-resistant Candida albicans in neutropenic patients with acute leukemia"J.Oral.Pathol.Med.. 32. 1496-1497 (2003)
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[Publications] Katsu M, Mikami Y et al.: "Selective isolation of Candid species by immunosuppressive separation method by beads coated with anti-Candida albicans serum"Rep.Environ.Res.Org. Chiba, Japan. 28. 65-68 (2003)
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[Publications] 明見能生, 三上 襄 他: "キャンデン系抗真菌剤micanfunginのin vitro抗真菌活性"新薬と臨床. 52. 593-597 (2003)
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[Publications] 知花博治, 三上 襄: "Candida albicansにおけるゲノム解析"Jpn.J.Med.Mycol. 44. 81-85 (2004)
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[Publications] Katsu M, Mikami Y et al.: "The internal transcribed spacers and 5.8SrRNA gene show extensive diversity among isolates of the Cryptococcus neoformans species complex"FEMS Yeast Research. 4. 377-388 (2004)
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[Publications] Myoken Y, Mikami Y et al.: "Clinical significance of breakthrough fungemia caused by azole-resistant Candida tropicalis in patients with hematological malignancies"Haematologica. 89. 378-380 (2004)