2002 Fiscal Year Annual Research Report
高中和性ヒト型抗破傷風モノクローナル抗体由来の一本鎖組換えモデル抗体の実行力評価
Project/Area Number |
14570249
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Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
松田 守弘 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (20029771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
の中 泰樹 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (80156215)
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Keywords | 一本鎖組換え抗体 / 抗破傷風毒素抗体 / ヒト型モノクローナル抗体 / 中和抗体 |
Research Abstract |
1.大腸菌でのScFv-G6発現系による産生:ファージディスプレイ法を応用して確立したE. coli HB2151 pCANTAB5E-ScFv-G6(E tag)株で産生させたScFv-G6はマウスの破傷風中毒(10MLD)死を約200時間まで延期する部分的中和を示した。破傷風症状進行線を比較すると、元の高中和性ヒト型モノクローナル抗体MAb G6でも救命には200時間よりはるかに生き残らせる用量が必要であることがわかった。そこでScFv-G6の産生条件を検討し、産生量をトキソイド結合活性としてanti-E tagを用いたELISA法により調べた結果、2×YT培地、27.5℃、1mM IPTG濃度による誘導、72時間培養で至適産生を得た。培養容量当たりで比較すると、約300倍まで用量を増やすと、はじめて完全に中和(救命)した。 2.酵母のScFv-G6発現系の確立:一般的に酵母系はScFvの発現量が多いと報告されている。そこでScFv-G6が発現するように可変部遺伝子をリンカーで連結しpBlue script sK^-にsubcloningし、multicloning sitesにN, C末端にそれぞれ制限酵素切断部位、C末端にHis_6(His tag)が付くように酵母用ベクターに導入し、酵母にLiClにより形質転換を試みた。PCRで形質転換を確かめたところ、酵母内のベクターに計算通りScFv-G6 His tagが導入され、酵母の5株にScFv-G6(His tag)がベクターのHis要求遺伝子とともに導入されHis要求性になっていることがわかった。産物は、anti-Histagを用いたELISA法で調べるとトキソイドと特異的に結合し、ScFv-G6 His6の酵母発現系を確立することができた。現在、これらの酵母株が産生するScFv-G6の中和活性を調べている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松田守弘, 野中香里, 堀口安彦: "高中和性抗破傷風ヒト型モノクローナル抗体由来の一本鎖組換え抗体(ScFv)の大腸菌系での産生"日本細菌学雑誌. 57・1. 96-1 (2002)
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[Publications] Matsuda, M., Watanabe, Y., Katahira, J., Horiguchi, Y., Kamei, M.: "Expression in E.coli of anti-tetanus human single-chain antibody fragments with toxin-neutralizing activity"Toxicon. 41(in press). (2003)
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[Publications] M.Matsuda, Y.Watanabe, K.Nonaka, Y.Horiguchi, J.Katahira: "PRODUCTION IN E. coli OF ANTI-TETANUS HUMAN SINGLE-CHAIN ANTIBODY FRAGMENTS WITH TOXIN-NEUTRALIZING ACTIVITY"Toxicon. 41(in press). (2003)
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[Publications] NAKABA SUGIMOTO, MORIHIRO MATSUDA: "Motor neurons Site-selective neurotoxicity eds D. Lester, W. Slikker Jr. and P. Lazarovici"Taylor & Francis Books Ltd, London & New York. 308(13) (2002)
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[Publications] 松田守弘: "Clostridium tetani 細菌学 竹田美文 林 英生 編集"朝倉書店. 706(13) (2002)