2003 Fiscal Year Annual Research Report
高中和性ヒト型抗破傷風モノクローナル抗体由来の一本鎖組換えモデル抗体の実効力評価
Project/Area Number |
14570249
|
Research Institution | Koshien University, College of Nutition |
Principal Investigator |
松田 守弘 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (20029771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
野中 泰樹 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (80156215)
|
Keywords | 一本鎖組換え抗体 / 抗破傷風毒素抗体 / ヒト型モノクローナル抗体 / 中和抗体 |
Research Abstract |
中毒性感染症の治療・予防(非免疫者の)に必須の抗毒素は、ヒト免疫グロブリン製剤(抗破傷風だけ)や異種タンパク質のウマ抗毒素が実用されており、供給源、ウイルス感染の可能性や血清病などの問題がある。そこでヒト型で培養細胞由来のモノクローナル抗毒素(MAb)や、より経済的なその組換え抗毒素が望まれる。私たちは、最も研究が進んでいる破傷風抗毒素をモデルとして、私たちが樹立した理論的にも最高中和性の抗破傷風ヒト型MAb-G6を産生するハイブリドーマ株からMAb-G6の重鎖(H)及び軽鎖(K,κ鎖)の可変部の遺伝子(V_H, V_K)をクローニングし、これらをリンカー(L、[(Gly)4-Ser]n,n:1〜3を発現するヌクレオチド)で連結してファージミドCATAB 5Eに導入しファージディスプレイ法により一本鎖組換え抗体フラグメントScFv-G6(H-Ln-K,またはK-Ln-H)として、まず大腸菌株での発現系を確立した。至適条件下での遺伝子産物(H-L_1-K E tag,C末端にE tagを付加、抗E tagでELISA法により検出を可能)が、私たちの改良法を用いマウス毒性を完全中和(救命)することを初めて見出した。実用化のために、大量のScFv-G6を自然に近いtagなしの形で産生することを目指した結果、酵母Pichia pastorisとScFv-G6遺伝子導入ベクターpPIC9による発現系(まずScFv-G6 H-L_1-K (His)_6 tag付、ついでtagなし)を確立することに成功した。より大量の発現系として、薬剤抵抗性遺伝子をもつpPIC9Kベクターを用いG418抵抗性をマーカーとして選択してScFv-G6遺伝子の多コピー組換え体Pichia pastoris株を分離することができ大腸菌系の300倍以上のScFv-G6を産生可能になり実用化の基礎ができた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 松田守弘, 中野香里, 堀口安彦: "高中和性抗破傷風ヒト型モノクローナル抗体由来の一本鎖組換え抗体(ScFv)の大腸菌系での産生"日本細菌学雑誌. 57(1). 96 (2002)
-
[Publications] 岡田有加里, 三宅真実, 岡清正, 堀口安彦, 松田守弘: "高中和性抗破傷風ヒト型モノクローナル抗体由来一本鎖組換え抗体(ScFv)の酵母系の確立"日本細菌学雑誌. 59(1). 281 (2004)
-
[Publications] Matsuda, M., Watanabe, Y., Katahira, J., Horiguchi, Y., Kamei, M.: "Expression in E.coli of anti-tetanus human single-chain antibody fragments with toxin-neutralizing activity"Toxicon. 42(In press). (2004)
-
[Publications] Matsuda, M., Watanabe, Y., Nonaka, K., Horiguchi, Y., Katahira, J.: "Production in E.coli of anti-tetanus human single-chain antibody fragments with toxin-neutralizing activity"Toxicon. 42(In press). (2004)
-
[Publications] Sugimoto, N., Matsuda, M.: "9.Motor neurons, In Site-selective neurotoxicity(D.Lester, W.Slikker Jr. & P.Lazarovici eds.), Cellular & Molecular Mechanisms of Toxin Action vol.3"Taylor & Francis Books Ltd, London & New York. 13/308 (2002)
-
[Publications] 松田守弘: "Clostridium tetani,「細菌学」(竹田美文・林英生 編)"朝倉書店. 13/706 (2002)
-
[Publications] 松田守弘: "広川タンパク質化学 第1巻「毒素タンパクII」破傷風毒素(林恭三 編)"広川書店. 21/201 (2003)