2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570252
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
山中 浩泰 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (30202386)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 敬の介 岡山大学, 薬学部, 教授 (70131183)
|
Keywords | 大腸菌 / 耐熱性エンテロトキシン / 外膜通過 / TolC / 薬剤排出 / プロセシング |
Research Abstract |
【背景と目的】大腸菌外膜タンパクTolCは、抗生物質や胆汁酸の排出に関わるのみならず、病原大腸菌においては細胞溶解毒素や耐熱性エンテロトキシン(ST)のような病原因子の菌体分泌にも関わっている機能タンパクである。従って、TolCの輸送機能について研究することは、大腸菌におけるTolCを介した菌体外輸送メカニズムの解明につながるばかりではなく、抗生物質に対する菌の感受性を高めたり、病原大腸菌においては病原因子の放出を抑える上でも重要な知見をもたらすものと考える。そこで本年度は、TolCの輸送機能に重要とされる機能ドメインを同定し、その部位がいかなる様式で輸送機能に関わるのかを明らかにすることを目的に研究を遂行した。 【結果と考察】Salmonella typhimuriumのTolC(ST-TolC)及びVibrio parahaemo-lyticus TolC(VP-TolC)をtolCが欠損した大腸菌BL21-2株で産生させ、その輸送機能を大腸菌TolC(EC-TolC)を発現させた場合と比較した。ST-TolCはEC-TolCとほぼ同等の輸送機能を発揮したが、VP-TolCの輸送機能はEC-TolCの40%程度であった。その原因として、VP-TolCとEC-TolCの一次構造の間で相同性の低い領域が存在することが挙げられた。そこで、VP-TolCの一次構造を一部含むキメラTolC産生株を作製し、輸送機能を解析した。その結果、EC-TolCの198位から214位に至る構造部位がEC-TolCの輸送機能を発揮する上で重要であることを見出した。TolCは、広範な輸送基質特異性を示すが、その理由として協調的に機能する種々のタンパク質の存在が挙げられている。今回同定した部位は、それらのタンパク質がTolCチャネルを開口させるための作用部位ではないかと考え、現在この点に関する解析へと研究を進めている。
|
Research Products
(2 results)