2004 Fiscal Year Annual Research Report
SSPE発症要因となる脳内麻疹ウイルスの高頻度変異への宿主ADARの関与
Project/Area Number |
14570271
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小倉 壽 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10115222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾田 稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90222702)
勢戸 祥介 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70270759)
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Keywords | 亜急性硬化性全脳炎 / SSPEウイルス / 麻疹ウイルス / 高頻度変異 / ADAR |
Research Abstract |
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)患者脳より分離されたSSPEウイルスは,biased hypermutationと呼ばれるM遺伝子に偏在した特定の塩基置換(ゲノムセンスでadenine(A)からguanine(G)への変異)が高率に生じている。近年adenosine deaminase that acts on RNA(ADAR)がその出現に関与していると推測されているが,麻疹ウイルス感染細胞内でM遺伝子がADARによりhypermutationを起こしうることを直接証明した報告はいまだない。そこで,我々は,本研究において,ADAR遺伝子強制発現細胞に麻疹ウイルスを感染させ,そのM遺伝子の変異を解析することを目的とした。 A172細胞(glioblastoma由来)を用いてADAR構成的発現細胞を樹立した。この細胞にrMV323(Ichinose-B株由来にcDNAにGFP遺伝子を組換えたウイルス)あるいはEdm-B(Edmonnston-B株のcDNA由来ウイルス)を接種し,35℃で1週間培養した。ウイルス感染細胞を回収し,1/2量を5x10^5個のADAR構成的発現A172細胞と共培養にて継代し,10代目まで繰り返した。残りの1/2の感染細胞は-80℃で保存し,ウイルスRNA解析(M遺伝子のRT-PCR増幅およびダイレクトシークエンス)に用いた。その結果rMV323感染では2代目までGFPが観察され,ウイルスM遺伝子の増幅も認められた。rEdmでは初代から明瞭なCPEは観察されなかったが,7代目まで遺伝子の増幅が認められた。rMV323の2代目およびrEdmの6代目の増幅産物の塩基配列の決定を行ったが,塩基の変異やシークエンサーの波形からも変異の存在を示唆する様な波形の重複も認められなかった。
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Research Products
(3 results)