2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規カドヘリン分子の機能解析を中心とした粘膜免疫系の新しい分子的枠組みの研究
Project/Area Number |
14570290
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
大西 和夫 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究官 (90169011)
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Keywords | Bリンパ球分化 / 抗体産生機構 / 粘膜免疫 / 細胞接着分子 / リンパ球動態制御 / カドヘリン / 感染の分子機構 / プレB細胞レセプター |
Research Abstract |
我々が同定・クローニングしたBILL一カドヘリンは、免疫担当B細胞と小腸上皮に分化時期特異的に発現する。この分子の機能を、遺伝子欠損マウスを作製して検討したところ、本年度は以下の結果を得た。 (1)BILL-カドヘリン遺伝子欠損マウスの粘膜免疫機能の解析;BILL-カドヘリン欠損マウスでは腹腔B1細胞の数が有意に低下しており、同時にT細胞非依存性抗原に対する応答も低下していた。また野生型マウスの腹腔B1細胞にはBILL-カドヘリンが高発現していること、およびT細胞非依存性免疫応答の場である脾臓辺縁帯にB1細胞が局在することなどから、B1細胞の発生分化にBILL-カドヘリンが関与していることが強く示唆された。また、小腸粘膜固有層のIgA陽性B細胞の局在性もBILL-カドヘリンの有無で異なっていたことから、腹腔・腸管におけるB(B1)リンパ球の動態制御にBILL-カドヘリンが関与している可能性が高い。 (2)細菌・ウイルスの感染機構におけるBILL-カドヘリンの関与;Salmonella, Listeria, Yersinia菌およびPrionの経口投与に対する感受性を野生型とBILL-カドヘリン欠損マウスで比較した結果、BILL-カドヘリン欠損マウスでは、Salmonellaに対する感受性がやや低下していた。現在その分子機序について検討している。 (3)骨髄プロB細胞に発現するBILL-カドヘリンと代替軽鎖分子との機能連関;BILL-カドヘリンと代替軽鎖分子の相互作用を検討するためにBILL-カドヘリンと代替軽鎖構成因子(λ5)のダブル・ノックアウトマウスを作成した。現在その形質について解析中である。
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Research Products
(2 results)